内外からの観光客で土日はもちろん、平日だって混雑している鎌倉だが、新型肺炎騒ぎが起こって以降はエッ ! と絶句するくらい人波が引いてしまい、他県ナンバーのマイカーや大型観光バスで埋まってにっちもさっちもいかなかった道路の渋滞も嘘のように消え、実に静かな町が出現している。
こういうところで、生活していさえすれば感染の心配などありようはずも無く、海沿いの道路で自転車で漕いだり、尾根道に分け入ってウグイスの声に耳をそばだてていれば、そのうち騒動も収まるだろう、一時の辛坊だと思っていた。
昨日だって、そもそも人混みに出る用事もないのだが、家で握ったおにぎりを持って尾根道に分け入り、行く先々で声音の違うウグイスの声を聞きながら「こいつはまだ下手くそだなぁ」とか「こいつはだいぶ慣れて来たな」などと思いつつ、早春の息吹を探して歩いたのだ。
トンビがおにぎりを狙って頭上を旋回し始めた時には相手の目をカッと睨みつけ「狙ってるのは分かってんだ、コラッ」と警戒ぶりを相手に伝えたり、急降下攻撃されないように枝の張った木の下に移動したりしていると敵は何度目かの旋回の末にしぶしぶあきらめ、何処にか飛び去った。
握り飯ぐらいゆっくり食わせろよ、邪魔すんな ! と言いたい。
幸いなことに尾根道は何本もあって、日曜から土曜まで日替わりで楽しめてそれでも余るくらいある。
あと2週間もすればサクラが咲き出すし、山はヤマザクラだからソメイヨシノよりは少し遅くなるかもしれないが、里と山を交互に行き来していれば長めに楽しめるなぁ…などと胸算用する。
そうやってその日は静かに終わるはずだったのだ。夜になってそのニュースが流れるまでは…
ニュースは鎌倉駅西口のすぐそばのホットヨガ教室に通う50代の女性の感染が明らかになったことを伝えたのだ。
しかも、2日前の28日に同じ市内のJR大船駅で気分が悪くなって救急搬送された70代の女性がいて、この人がコロナウイルスに感染していたことが分かったばかりだった。
それが何と、2人は同居の親子だったという。
さらに千葉県内に住む20代の息子のところに出かけた50代の女性は息子にまで感染させていたというおまけ付き。
同じ感染源から一気に3人も患者が !
しかも70代女性は重篤な状態だという。
もしかしたら特別に感染力を強めた変異型じゃないの ? お~コワ。
そして気になるのは、この50代女性は頭痛と味覚障害で2月14日に医療機関を受診していたが、この段階では何も疑われないまま時を過ごし、70代の母親の感染が分かって初めて、濃厚接触者として検査を受けたところ判明したってこと。
感染したまま、動き回っていたってことのようだ。
非感染地であるわが町にいる限り心配は何もない…そう思っていたのだが、妻はどこかのスーパーですれ違っていたかもしれないし…クワバラクワバラなことになってきた。
ヨシッ、身体の抵抗力をつけるため、ウナギでも食うか。それともビフテキがいいか…両方 ?!
感染する前にメタボにならないように気を付けなくっちゃな。
近所の池のある公園のジャヤナギの芽吹きが始まった(見出し写真も)
広町緑地の大ザクラは元気そうに見えた
遠目でも枝々のつぼみは順調に膨らんでいるように見えた
近所のカワセミ君は今日も元気
こいつ、警戒心薄いんだよな
ボクは姿は消せないけれど「気配」は消せるって思ってるからかな
忍法「感染無用の術」
じゃ、またな