独裁者で裸の王様の末路なんてこんなもんだろ。
何の不思議もないし、驚きもまったく感じない。むしろ当然で遅すぎたくらいだ。
以前から「この国をこうしたいんだ」「これだけはぜひ実現させたい」などと大いなる夢や希望を語り、あるいは展望を国民に示してきていたならともかく、ガースの場合は無責任極まる前任者が2度目の「権力放り出し」を仕出かしたお陰で、目の前に転がり込んできた最高権力者の椅子を言抜きのようにかすめ取ったに過ぎない。
ロクな党内議論もないまま、国会議員だけで形だけの投票はしたものの、党員参加の選挙すら行わず、派閥のボスたちがいわば密室で決めたに過ぎない存在だった。
とにかく、ボクに言わせれば憲法改正が進まないことにいら立った前任者が、あろうことか「憲法解釈の変更」だけで、明らかな憲法違反である「戦争法」を強引に国会通過させちまったのを、裏で支え続けたのがほかならぬ内閣の番頭である官房長官を務めていたガースなのだ。
そういう戦犯のような黒子役がいきなり表舞台にでてきたって、語る言葉がそもそも表向きじゃないから一向に国民に届かない。響かない。
ガースが一度でも真剣に国民に語りかけて、それを聞いた国民に1人でも胸を打たれた人がいるだろうか。
そんな志のかけらもない人物に国のかじ取りを委ねると、とんでもないことになっちまうんだというのが、この間に国民が学ばされた貴重な体験なのである。
内閣支持率が20%台なんてことが、このことを如実に示している。完全なレッドカードじゃないか。
首都に緊急事態宣言が出されているにもかかわらず「五輪は開く」と口にしたころから国民の堪忍袋が切れかけたのだ。
更に極めつけと言っていいのは、コロナが荒れ狂う日々に「国民の命と暮らしを守るのが私の役目」と言いながら、医療機関で治療はおろか検査すらしてもらえず、家で放置されて息も絶え絶えになる感染患者を指して「基本は在宅療養」とわざわざ「放置」を「療養」という言葉に言い換える酷さと恐ろしさ…
これがガースの言う「国民の命と暮らし」の実相なのだ。
こんなことが続いても国民が黙っているのだと思っていることこそ、裸の王様でいることの何よりの証明なのである。
モリカケサクラでは国会で嘘ばかり並べたて、憲法さえ平然と無視するようなアベなんちゃら政治には心底辟易したものだった。
それが突然、政権を放り投げた後に、今まで支え続けた番頭のガースが言抜きで後を継いだ時から、こういうカタチで野垂れ死ぬことは時間の問題だったということだろう。
アベなんちゃら政治とガース流独裁政治がもう金輪際、日の目を見ないようにしなければ。
主義主張に違いはあるけれど、とにかく民主主義のルールに基づいた公明正大な政治をしてもらいたいものだ。
その原点に再び戻ってもらうきっかけにしてもらいたいと、つくづく思う。
(見出し写真はわが家の庭に咲いたホトトギス)