前回まで,
・面前自署確認欄のねつ造 ~ はじめに
・面前自署確認欄は何のためにあるのか?
ということについて説明してきました。
これから,中信が面前自署確認欄についてどういうことをやっていたのか,ということについて明らかにしていきます。
私たちの独りよがりになってもいけませんので,まず,裁判所で認定された事実から説明していきます。
最高裁判所でも是認された大阪高等裁判所平成30年3月3日の判決(ここからは「大阪高裁判決」と言います。)からの引用になります。事案の内容については,以前のブログ記事をご参照下さい。
証拠番号の引用は省略して,当事者と中信行員の氏名は伏せ字とします。
大阪高裁判決は,以下のように認定しました。
「Oも,当審において,面前自署による控訴人Hの妻の意思確認をしたことを全く覚えておらず,被控訴人において「債務確認・保証確認の厳格化について」と題する通達が発せられ,債務者・保証人とも,すべて被控訴人職員の面前自署で,その意思確認をすることになっていたが,顧客との関係もあって,上記通達に従った債務者及び保証人の意思確認はされていなかった旨証言している」
「本件手形の「面前自署確認」欄の記載にしても,上記認定のとおり,本件手形の「振出人」欄の署名は,控訴人Hの署名と異なっているし,Oが,当審において,本件手形の上記面前自署確認欄及び確認者印を見ても,記憶していない旨証言していることを併せ考慮すれば,上記面前自署確認欄の記載をもって,Oが控訴人Hの自署を面前で確認したとは認めることはできず,本件手形の控訴人の署名が同人の自署によるものとは認められないとの上記判断を左右しない。」(大阪高裁判決・判決書12頁23行目~同13頁21行目)
つまり,「面前自署確認欄」は,金融機関が目の前にいる人の本人確認をして取り付けなければならないところ,判決では,行員が「自署を面前で確認したとは認めることはできない」と判断したのです。
これは,面前自署確認欄に行員が記載した内容が嘘であった,ということを認めたということになります。
このようにして,中信担当者が面前自署確認欄の記載をねつ造していたということが裁判所でも認定され,はっきりとしたのです。
にもかかわらず,中信は,このことについておかしな弁解を続けます。嘘に嘘を重ねていくのです。
次回は,この判決が出た後,中信がどのような弁解を重ねているのかについて,説明していきます。
・面前自署確認欄のねつ造 ~ はじめに
・面前自署確認欄は何のためにあるのか?
ということについて説明してきました。
これから,中信が面前自署確認欄についてどういうことをやっていたのか,ということについて明らかにしていきます。
私たちの独りよがりになってもいけませんので,まず,裁判所で認定された事実から説明していきます。
最高裁判所でも是認された大阪高等裁判所平成30年3月3日の判決(ここからは「大阪高裁判決」と言います。)からの引用になります。事案の内容については,以前のブログ記事をご参照下さい。
証拠番号の引用は省略して,当事者と中信行員の氏名は伏せ字とします。
大阪高裁判決は,以下のように認定しました。
「Oも,当審において,面前自署による控訴人Hの妻の意思確認をしたことを全く覚えておらず,被控訴人において「債務確認・保証確認の厳格化について」と題する通達が発せられ,債務者・保証人とも,すべて被控訴人職員の面前自署で,その意思確認をすることになっていたが,顧客との関係もあって,上記通達に従った債務者及び保証人の意思確認はされていなかった旨証言している」
「本件手形の「面前自署確認」欄の記載にしても,上記認定のとおり,本件手形の「振出人」欄の署名は,控訴人Hの署名と異なっているし,Oが,当審において,本件手形の上記面前自署確認欄及び確認者印を見ても,記憶していない旨証言していることを併せ考慮すれば,上記面前自署確認欄の記載をもって,Oが控訴人Hの自署を面前で確認したとは認めることはできず,本件手形の控訴人の署名が同人の自署によるものとは認められないとの上記判断を左右しない。」(大阪高裁判決・判決書12頁23行目~同13頁21行目)
つまり,「面前自署確認欄」は,金融機関が目の前にいる人の本人確認をして取り付けなければならないところ,判決では,行員が「自署を面前で確認したとは認めることはできない」と判断したのです。
これは,面前自署確認欄に行員が記載した内容が嘘であった,ということを認めたということになります。
このようにして,中信担当者が面前自署確認欄の記載をねつ造していたということが裁判所でも認定され,はっきりとしたのです。
にもかかわらず,中信は,このことについておかしな弁解を続けます。嘘に嘘を重ねていくのです。
次回は,この判決が出た後,中信がどのような弁解を重ねているのかについて,説明していきます。
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