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きのこの唄

小さかった時、今頃六甲山へハイキングに行くと松林の所々に藁縄が張られ『立ち入り禁止』の木札が掛けられていた。松茸山である。その頃は気軽に食べられる値段で売られていたのだろう、大家族であり、さして裕福でもなかったぼーず家のすき焼きにも入っていた位なので、何でわざわざ縄を張るのかと不思議に思っていた。

そのうちに値が上がり出し、母がそれまで毎年、東京の親戚に送っていた牛肉の味噌漬けが松茸に代わった。その頃は関東以北ではあまり取れなかったので東京では希少価値があり、それなりに喜ばれていたようだ。そして、ぼーずが大学生の頃には更に値が上がり、2~3本ばかり送っても仕方がないと、再び贈り物が味噌漬けに戻ったのを覚えている。

さて、現在は立派な貧乏人のぼーずであるが、ここしばらく年に一度くらいはある贅沢をすると決めている。というより子供の頃、当たり前だったことを復活させた・・・少量でいいから一回くらいは国産マツタケを食べようということだ。なーんだと思われるかもしれないが、たかがカビ??の親戚に万札を出すのはかなり抵抗がある(笑)。

20年前にドイツはフランクフルト近郊で赤松林があるのに気付いた。翌日ドイツ人の同僚にマツタケの絵を描き、こんなキノコ知らんか?と聞いて廻ったが、全員から知らんと言われた(笑)。かの国は食に対して非常に保守的なのであっても食べないかもしれない。事実そのころ市場で買えるキノコはマッシュルームとシュタインピルツと呼ばれるものだけだった。(一部ではオランダからSHITAKE(椎茸)なるものを入れていたがこれは例外)

今思うに、従業員でなく赤松林まで行って地元の人間に聞くべきだったと思う。その時一緒働いていた先輩のコジョーさんはモロッコ駐在の親戚から国際便で送ってきたマツタケはそれなりの香りがしたと言っていた。例えドイツ産でも日本に送れば売れたと思う。今からでも遅くない。どなたかドイツにお住まいの方に確認して頂けないだろうか。儲けは山分けで(笑)。

ケンカを売るようで申し訳ないが、写真は京都の錦市場、かね松謹製?詰め合わせ。まだ丹波産には早すぎて岩手産だった。

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