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薬用せっけん 効果に疑問符? (2016.11.9 毎日新聞より)

2016年11月10日 | その他
一般家庭で広く使われている薬用せっけん。このうち抗菌成分トリクロサンなどを含むせっけんに
ついて厚生労働省が9月末、別の成分に切り替えるよう業界に通知した。「普通のせっけんより感染症予防の効果があるとの根拠がない」と、 米国で販売禁止になったためだ。商品は今も流通す
るが、消費者はどうすればよいのだろう。
●米で販売禁止へ
日本の厚生省にあたる米食品医薬局 (FDA)は9月上旬、トリクロサンやトリクロカルバンなど19
の抗菌成分を含むせっけんの販売を1年後に禁止すると発表した。最大の理由は、通常のせっけんと比べて、感染症を防ぐ効果が優れているとの科学的根拠がなかったことだ。
発表では「長期間使うと抗菌剤が効かなくなる耐性菌が発生する恐れもある」 と指摘した。抗菌剤を長く使うと、たとえばトリクロサンの効かない性質が他の病原菌に移る恐れもあり、家庭で使う場合は「長期的には利点よりも害の方が及ぶ可能性がある」との判断だ。
FDAは3年前から、 感染症の予防効果と長期の安全性を証明するデータを出すようメーカーに求めていたが、それがなかったことも販売禁止につながった。
●「普通」で十分
ふだんの手洗いについては「普通のせっけんと水で洗い流すのがよい」FDAは勧める。 せっけんがなければアルコール濃度60%以上の消毒液を使ってもよいという。
薬用せっけんは病原菌を殺す目的で抗菌成分を配合したものだ。 日本では、国が一定の殺菌効
果を認めたことを示す医薬部外品として扱われている。 厚労省によると、 トリクロサンなどの薬用せっけんは1950年代から約800品目が承認され、今も流通しているのは50~100品目程度と
推定されるという。
●成分切り替え通知
商品の安全性に問題はないが、米国の販売禁止を受け厚労省は「海外で懸念が生じた以上、切
り替えが望ましい」と判断。来年9月末までに、これら19の成分を含まない製品に切り替えるよう、業界に通知した。 ただ米国と同様に日本でも数年前から切り替えが始まっていたようだ。大手企
業ではすでに対応が進み、該当品目はかなり少なくなっている。
過渡期とあって市場には、 問題の成分を含む薬用せっけんも流通している。 厚労省医薬品審査
管理課は「副作用報告はなく、製品を回収するほどのリスクはない」とし、 いま家庭にある該当製
品を使っても問題はないとしている。
切り替えの対象となる製品は薬用ハンドソープや薬用ボディソープ、薬用洗顔料の薬用せっけん。米国の措置と同じく、徹底した感染予防が求められる医療施設での薬用せっけんは、 切り替えを
求められていない。 トリクロサンなどは髪を洗う薬用シャンプーや歯磨き剤にも使われているが 、
これらも成分切り替え対象外だ。
国立医薬品食品衛生研究所によると、化粧品にも防腐目的でトリクロサンやトリクロカルバンなど
が使われている製品があるという。今後は国の通知の対象外の製品で、切り替えがどこまで進むかが課題になりそうだ。


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