今日のお昼はお弁当でも買って手早く済ませるかなとふらふらしていると、HottoMotto発見。
ふらり入店すると、「のり弁当、平日350→290円」の表示にこれだと注文。
のり弁当(平日税込290円)開封。
うーん。美味しい!
ウスターソースのしみたカラリ白身フライに、すり身の旨味が詰まったちくわの磯部揚げ。
鰹節と昆布の佃煮の旨味に、添えられたきんぴらとお新香の美味、そして敷き詰められた板海苔の香り。
それぞれが一騎当千の美味を演出し、もりもりご飯をかっこむ箸が止まりません。
のり弁って、本当に美味しいなあ。
板海苔ができたのは江戸時代中期で、ご飯に敷くという料理法はそのころからあったと考えられています。
鰹節の佃煮をご飯にまぶし海苔を乗せる食べ方は、戦前から普遍的に存在し「かつぶしめし」などと呼ばれていました。
戦後、お弁当のご飯に板海苔をしくのはスタンダードな形の一つとなり、のり弁はごく普遍的なご家庭の弁当として普及していました。
そして1976年、このご家庭弁当を商品にして売ろうという野心家が現れます。
田渕道行。ほっかほっか亭の創業者です。
トラック運転手の昼食事情に目を付けた田渕氏は埼玉県草加市に弁当店を開店します。
しかし高度成長期真っ只中のこの時期、運転手にわざわざトラックを停めて弁当を買う余裕はなく、閑古鳥の状態が続きます。
ようやくお客が来たと思ったら保健所の職員で、閉店要請を出される始末。
意地でお店を開け続ける田渕氏のもとに、ぽつぽつとお客が集まり始めます。
それは近所の主婦達でした。
電化製品も今ほど普及していないこの時代、忙しい主婦たちは自分の昼食をつくる時間がなくお弁当を買いに来ていたのです。
そうか、昼食に困っているのは実は主婦。主婦が選ぶのは見た目よりも価格とボリュームだ。
そこで安価に作れるご家庭のり弁をベースに新メニューを考案します。
佃煮をまぶし海苔を敷き詰めたご飯、そこへおかずである竹輪と白身魚の味噌焼きを、大胆にも上に乗っけてしまいます。
商品としての「のり弁当」の誕生です。
低価格でボリュームたっぷり、そして美味な「のり弁」は瞬く間に評判となりました。
そして1981年に「ほっかほっか亭」を創業。
フライヤーの普及に合わせ、ちくわと味噌焼きもそれぞれ磯部揚げと白身魚フライに変更、現在の形の「のり弁」が完成します。
ほっかほっか亭の多店舗化、そして他店の参入により、「のり弁」は日本を代表するB級グルメとなりました。
忙しい主婦たちをお腹いっぱいにしたい、創業者の願いに思いをはせたのり弁タイムでした!