こんな本がある。
月刊誌『フランス』という雑誌があって、1925年から2005年までのコラムを一冊に収録したものだ。
これが創刊してから、2005年が80年だから、なんと今年で90年越えだ。
そもそもは、フランス語と、フランス文化について、あれやこれや書いている月刊誌で、1冊690円の雑誌である。
ずっと、昔から、茶の間の座布団の上やら、ある時は、トイレの本棚にだったり、ぽんと置いてある。
まぁ、家人が、そこかしこに、読んだ後、放り投げているのだが。
つい、手に取って、読んでしまう。
80年前の創刊初期の表紙。
ペラペラめくってみると、あれ? と思う人が原稿を書いている。
例えば、辰野隆。
「カルチエ・ラタンの氣分」というタイトルで書いている。
“巴里っ子は、外国人が澤山、入り混んで來たために情緒はまったく壊されてしまった、といってはゐるが、しかし外國人の眼には、まだ何處かに古い巴里の面影を偲ばれる。”と、綴る。
岸田國士は、「翻譯について」と、書いている。
“翻譯するということは、原書を少なくとも十編繰り返して読むことである。
翻譯をやってみると、自分の語學力の底が知れるのである。
翻譯をしながら、おれはこんなに日本語を知らないのかと思うだけでも、たいへん薬になる”と、綴る。
河盛好蔵、小堀杏奴、加藤周一、中村光夫、遠藤周作、澁澤龍彦、石井好子、佐藤朔、串田孫市、加賀乙彦などなどが執筆。
いわば、フランス好きに寄る知的雑学の書なのである。
こういう雑誌、いいね。
『ドイツ』が、あったら買うかもなぁ。(^_-)
それにしても、平成になって、彼らのような知識人って、だれがいるのかなぁ。
私が、年をとったのかなぁ。
因みに2017年2月号。
この内容で、690円は、チョーお得だ。
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