ケセランパサラン読書記 ーそして私の日々ー

◆ 旅ばなし 17回目 オランダ ライデンの橋

             

 昔、オランダのライデンに住んでいたことがある。
 その時、まだ赤ん坊だった息子を乳母車に乗せては、毎日、散歩をしていた。
 オランダは日照時間が少ないから、とにかく太陽の出ている時は、大人も子どもも戸外に出るのだ。

 devalkと言う名前の風車。英語だとThe Falcon(ハヤブサ)

 第二次世界大戦中は、羽の角度によって、レジスタンスとの暗号になっていたという。
 私が住んでいた当時、ライデンに高い建築物はなく、遠くからでもdevalk、大きな風車がみえた。私の大好きな風車だ。
 それを目印にもどれば、どんな道を行ってもまずは家へ帰れると思い、随分と町の隅々まで乳母車の息子とともに歩き回ったものだった。

 そんなある日、運河にかかっていた橋がこれである。
 階段!!
 橋のたもとで、茫然としていると、通りかかった青年が、ひょいと息子が乗ったままの乳母車を抱えて、橋を渡ってくれた。

 それから約30年。
 あの橋は、今も、あるだろうかと、グーグルマップで検索したら、なんとあった!
 やったね!!
 思わず、プリントアウトしてしまった。

 つくづく思う。
 時間の流れ方がちがうのかなぁって。


 因みに、橋の両サイドの溝は、自転車の車輪用。
 

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