札幌の上映最終日、シアターキノで観てきました。
小さなシアターではありますが、満席。
座席両サイドにパイプ椅子まで、びっしりと並んでいました。
ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』
11:05上映開始なのですが、きっと混むだろうと予測し、シアターキノには、10時ごろ着くように行き、チケットと入場順の番号札を入手してから、近くのカフェで、ティタイムです。
そして、11時にシアターキノへ戻ると、エントランスにも廊下にも人が溢れています。
客層は、男女ほぼほぼ同じぐらい。
年齢層は若い人より圧倒的に50代以降と思われる人たちです。
女性二人の友人連れ、夫婦連れが多いようでした。
客層は、以前シアターキノで観た『福田村事件』の時の、70年前後の学生運動の匂いをまとった人たち、『ポトフ 美食家と料理人』の時の、ちょっとお洒落な服装というか、若干個性的で、流行を追わないナチュラルファッションのミセス風とも、違っていました。
上映する映画によって、お客さんの雰囲気が、まったく異なるのが面白い。
或いは、私の個人的な偏見的な見方かも知れないのですが😅
それで、肝心な映画です。
役所広司の仕草や表情の演技は、評判通り素晴らしいと思いました。
役所広司の仕草や表情の演技は、評判通り素晴らしいと思いました。
でも、友人たちや、世間の評判で聞くような、「感動」は、私にはありませんでした。
起承転結によらない、ある一人の男性の日常を丹念に描いたものという声もよく耳にしたり、文字でも読みました。
私は、その描写に、とても興味がありました。
私は、その描写に、とても興味がありました。
でも、
ヴィム・ヴェンダース監督の、この映画は、起承転結もあり、日常に起きるドラマが、しっかりと描かれていました。
ただ、私が、よく解ったのは、ヴィム・ヴェンダースが小津安二郎が、好きなんだということでした。
その雰囲気は、『PERFECT DAYS』には、確かに漂っていたように思います。
<追記>
映画『First Love 初恋』で、ダンサーで、コンテンポラリーのようなダンスを踊っていたアオイヤマダが、出演していた。
なんだろう、この人はすごく印象に残る人で、こういう個性って、私は好きだ。
なんだろう、この人はすごく印象に残る人で、こういう個性って、私は好きだ。
それと、興味深かったのはロケ地。
深谷に住んでいたとき、何度も何度も訪ねたエリアが、いっぱい映っていた。
深谷に住んでいたとき、何度も何度も訪ねたエリアが、いっぱい映っていた。
私が、浅草で一番好きな場所、天井から水がぽとりぽとりと落ちるあの地下道の、一杯飲み屋が、主人公の役所広司の行きつけの飲み屋だった。
それは、なんか、嬉しい。
桜橋も、役所広司が自転車で通過したり、土手から見上げたりと、なんども映し出されていた。
一緒に映画を観た夫が帰り道、「あんな下町、今はあるかぁ?」と言った。
「あるよ。行ったことある。」と、私は言った。
ヴィム・ヴェンダース監督とは、「地」という場所への好き傾向は、似ているのかも知れないと、ちょっと嬉しくなった。
谷根千は、作為観がある景観で、あんまり好きじゃない。
でも、中野駅北口からの、迷子になりそうな路地や、中野ブロードウェイの猥雑な怪しさとか、がいい。
浅草の銀座線改札から続く、あのレトロの真ただ中に生存し続けている稀少地下街とか、ジョイフル三ノ輪とか。
そこには、景観度外視の、現在進行形の生きている生活観が感じられて、私は、こういう場所こそが東京だと思っている。
他の地方都市では、なかなか見ることができない。