2017.03.11
実はその紹介状には、続きの文書があった。
それは、AML 急性骨髄性白血病......の疑いの為、再度の精密検査が
必要です......と。
まだ疑いがあるという段階だった。
疑いはあるが再度の精密検査によって、それが晴れる場合も考えられる。
僅かな望みを持ってその診察日まで極力普通に過ごそうと努めた。
1日目は微熱はあるものの自宅でごく普通に過ごした。
2~3日目は、以前から予約をしていたこともあって、東京へイベント
の参加の為遠征していた。(微熱は続いてる)
ただその間も、一抹の不安が常に付きまとっていた。
2017.03.14
会社に出勤し午前中の仕事のあと、紹介状を持って病院へ行く。
月一の割合で通っているその病院は、会社の健康診断でコレステロール値
が高いための投薬治療で、簡単な診察のあと薬の処方をしてもらう
だけで、主治医の先生も特別なことはしない。
体の調子を報告し、それについて先生がアドバイス的に話をする。
だいたい10分程でいつも終わる。
この日は事前に医院から連絡が入っていたせいか、受付を済ませ
紹介状を提出すると、程なく名前が呼ばれて診察室に入った。
主治医が早速紹介状を広げ、病名は聞かれてますかと、いつもより
少しトーン低く話しかけてきた。
自ら封を開き、それを検索した自分自身にとっては、あらためて病名
を宣告される事になる。
すでに知っていた自分は、少しの罪悪感も手伝って「いいえ」と答えた。
そして、主治医から病名が宣告された。
おそらく普通はここで、衝撃を受けてパニックになり取り乱し主治医に
怒涛の如く質問を浴びせ、頭の整理が付かないまま茫然とするのだろう。
しかしその時は冷静に受け取っていた自分がいた。
ここの病院も比較的大きな病院で、救急病棟もあり診察科も多く、設備も
整っているのだが、血液内科がない為ここでは治療ができないという。
主治医より市大病院を紹介され、早速予約を入れて頂き日程が決まる。
3日後の診療日まで時間がある為、その日は一旦帰宅する。
次の日、その次の日と不安の中仕事を続けていよいよ明日が診察日かと、
思っていた矢先に、市大病院の先生から直接電話があったのは、その日の
午後だった。