白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

宣告、そして入院へ

2021-05-10 10:14:41 | 日記
 2017.03.16

  この日の仕事は、朝から建築現場パトロールだった。

  現場の安全、衛生、環境など、作業員及びそれを監督する現場監督

  そして作業場、休憩所など現場内の安全衛生状態を、パトロールすること

  で注意喚起をし、危険予知活動、パトロール結果報告など、内容を月例の

  協議会にてフィードバックし、注意喚起を促す。

  この日は、午前中1件と午後から2件の予定で出発する。

  午前中の現場を終え、途中の昼食もあわせて次の現場へと向かった。

  朝から診察の事が気にはなっていた。

  市大病院の先生から直接電話があったのはその時だった。

  前回初診時の血液検査の結果が出たので、すぐ来院して欲しいと。

  現場へ向かう途中で、空腹も重なり少し焦っていた。

  「これから仕事の予定があります。すぐに行かないとだめでしょうか。」

  「はい、すぐに来院して下さい。」

  この時はまだ、これから向かう現場の事で頭がいっぱいで、

  先生の言葉を深く理解する余裕がなかった。

  出来れば次の日以降に伸ばして貰おうと考えていた。

  そのあとの先生の言葉を聞くまでは。

  「検査結果に何かあったのでしょうか。」

  「はい、BLAST(芽球)の値が30%を超えてます。」

  およそ今まで生きてきた人生の中で、当然聞いたことのない言葉だった。

  「先生、それっていうのは悪いんでしょうか。」

  「その数値は高いんでしょうか。」

  こんな子供みたいな聞き方しか出来なかった。

  「はい、高いです......」

  それ以上言葉はなかった。

  先生の言葉のニュアンスでその重みがわかった自分は、頭の中がその時

  切り替わった。

  「分かりました......」と。

  すぐに午後からの現場の責任者に連絡を取り、代わりの社員に指示をし、

  会社には事後報告として、その足で市大病院へ向かった。

  病院に到着すると、初診受付から始まり一連の手続きが取られた。

  ほどなく診療階に案内され、血液内科診療の前で待つ。

  呼ばれるとすぐに診察台へ。

  看護師さんの指示に従って、うつ伏せ状態になり先生の治療が始まる。

  その時の自分は、少しのパニック状態になっており、感情の赴くままに

  いろんな質問を浴びせた。

  「治るんでしょうか。」

  「入院になるのでしょうか。」

  「どれくらいの期間入院でしょうか。」

  「治るまでどれくらい時間が掛かるのでしょうか。」

  「費用はいくら掛かるのでしょうか。」

  すべての質問に先生は答えてくれた。

  全部を受け入れようと、いろんな事で頭の中がいっぱいになる。

  検査は、骨髄穿刺という方法で、うつ伏せのまま腰の部分に麻酔をし、

  その中心部に太めの針を刺していき、腰骨まで到達するとさらに針を

  挿入していき骨の中の骨髄液を吸入するというもので、人それぞれだが

  結構痛いものと認識があるようだが、痛みは殆ど無く知らない間に

  終わった。

  針の挿入部がふさがるまで、1時間ほど仰向け状態で経過を待つ。

  診察が終わり待合で待っていると、再度診療室に呼ばれ結果を聞く。

  やはり骨髄液中のBLAST(芽球)の値が高いので、AML 急性骨髄性白血病

  と診断確定する。

  入院は決定するが、病棟に空きがなく翌日再診となり、その日は一旦

  会社へ戻る。

  上司に一連の流れを説明し、病名、入院、期間など報告する。