白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

初めての酸素マスク。

2021-08-05 13:46:46 | 日記
 
  (退院後、102回目の外来。血液検査の結果は良好。CRPの値が

   基準値より高いのが気になる。今日も食後の血糖値の急上昇と

   急下降のあとの、だるさ、強烈な眠気にあらがえずにいる。)


 2017.05.08

  前日の高熱で、体に対してのダメージが大きかったのか、その日は早朝の

  採血で起こされるまでぐっすり眠っていた。

  これは自身が勝手に思っていた事なので、もし看護師さんがおられたら、

  どうかお気を悪くなさらないで下さいませ。

  「また今朝も、血を取りに吸血鬼がきたゕ・・・」…スミマセン…

  その日は午後から輸血だった。

  冷静に考えると、採血、輸血、採血、輸血と内容量は違えど、

  血を抜いたり入れたりと繰り返しているうちに、このまま行くと本来の

  自分の血がよそ様の血に入れ替わってしまうのではないかと思って

  しまい、またそれはそれで言いようのない不安に駆られるのである。

  (この1年半後、本当に自身の血が入れ替わってしまうのであるが…)

  輸血に使用する血液は、血液センターからの搬入待ちで、この日も

  輸血の予定時刻を大幅に超えて搬入された。

  血液の成分輸血で、血小板の輸血である。

  また例の黄色く少しドロッとした液体の先をカテーテルにつなぐ。

  つないで輸血が始まると、特になにをすると言う事もなく点滴と

  同じ要領だ。

  30分ほどで袋の中身はなくなる。

  そのあとすぐに抗生剤の点滴が始まる。

  輸血の後は、過去2回の時もそうであったように、やはり副作用が出た。

  今度も顔にポツポツができ、それ以上は広がらなかったが、太もも、

  背中と大きくは広がらなかったが出ていた。

  熱はこの日は上がらなかった。


 2017.05.09

  この日もいつも通りの吸血鬼…いっいや…早朝と、いつも通りの午前中

  を過ごした。

  熱が出るときは決まって体に寒気が走り、すぐに温度が上昇するのだが

  この日は特に何も変化はなかった。
 
  午後からは少し違っていた。

  この病気になる以前からもあったのだが、もともと痰が絡みやすく

  咳込んで止まらず、一時期吸入器を使うほどだった。

  その時の医師の診断は、ぜん息とまではいかないが、それに近い状態

  であるとの事だった。

  そんな事もあり、入院前の問診では主治医には伝えていた。

  入院後から最初の抗がん剤治療、そして2回目の抗がん剤治療と

  入院生活の中で、断続的な咳込みはあったが、看護師さんはその都度

  スルーだったので、自身も大したことはないのだろうと思っていた。

  ところがこの日はやけに咳込みが激しく、止まらない状態が何度か

  続いてた。

  いつもの咳込みがまた始まったかと高をくくっていた。

  様子がおかしい。

  異常に咳が出る。

  苦しい。

  それでも咳が出る。

  ん?

  これは…

  息苦しい…

  息ができない…

  さんざん咳込んで、息ができない…

  その瞬間ナースコールを掴んでいた。

  すぐに看護師さんが駆けつけてくれ、ベッド脇の酸素ボンベをセット

  する。

  無心で酸素マスクを掴んだ。

  どれくらい時間が経過したのかわからないが、いつの間にか酸素マスクを

  つけたまま横になっていた。

  生まれて初めて(もちろんそんな事は何回もあってはならないのだが)

  酸素マスクをつけた。

  まさにテレビドラマで見たあれである。

  そしてしばらくその状態が続くことになる。

  そしてこの日、高熱にはならなかった。