白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

深夜の高熱。

2021-08-15 16:20:48 | 日記
  その日は、輸血も終わり1日のメニューは終了していた。

  ただそのあとも、断続的に寒気は襲ってきた。

  背中の上あたり、首筋に近い所にまず悪寒が走る。

  来たな、と思ったらそのまま背筋に伝わり、全身に回る。

  就寝前に幾度か寒気があり、37~38度であればだいたい解熱剤の

  飲み薬で治まる。

  主治医の説明では、熱の上昇は小さいものが断続的に起き、大きいものが

  そのあとに来るとの事だ。

  39度が2回ほど続き、そのあと断続的に37~38度。

  ん?

  高熱が近々また来るのだろうか。

  何日後かにくるのだろうな。

  高熱、39度。

  この病気をする前でも、ここに入院してからでも、幾度か経験していた。

  自分の中で、いずれやって来る高熱に対してシミュレーションをして

  みる。

  経験がある分、精神的には準備はできる。

  寒気が起き熱が上がるタイミング、どれくらいで上昇するか。

  どのタイミングでナースコールを取るか。

  自分の中で頭を整理する。

  その時もそうであった。


 2017.05.10 深夜

  寒気で目が覚めた。

  ん?

  もう来たのか?

  予想していたより早かった。

  まさかその日に来るとは…

  まあ仕方ない…

  心の準備にそんなに時間は掛からなかった。

  ぐんぐんと熱は上昇していき、心拍も上がっている。

  寒気も増して、さらに寒気が襲う。

  寒い…

  体全身が異常にガタガタと震え、ベッドが波打った。

  寒い…

  39度に達しただろうか。

  自分の中でそう判断した。

  熱が上限まで来たら、寒さは治まってくる。

  治まらない…

  思い違いか。

  おそらく39度には達しているはずなのだが…

  やはり素人判断なのか。

  それにしても寒気が治まる気配が一向にないのである。

  それどころか一段と強くなる。

  寒い…

  同時に体温の上昇も治まらない。

  いまだかつて経験したことのない感覚だった。

  自分で言うのもなんだが、今までいくら痛くてもしんどくても、

  ひとりで居る時に、その言葉を発することはなかった。

  ただこの時ばかりは、思わず口走っていた。

  「寒い…しんどい…」と。

  ナースコールが取れない。

  手が動かないのである。

  手だけではない。全身寒さで硬直していた。

  何とか指は動かせたのだろうか。

  看護師さんが入って来た。

  声は聞こえるが言ってることの理解ができない。

  何とか自分の状態を伝えようと声を絞り出す。

  「寒い…しんどい…」と。

  もうそれしかしゃべれなかった。

  恐らく解熱剤、抗生剤の点滴の準備をしてくれたのだろうが、

  記憶がはっきりしない。

  寒気が治まり、体の震え硬直はなくなった。

  ただ頭がボーっとして全身の力がぬけていた。

  その時の体温計の数字は、41度を示していた。