白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

入院、そして壮絶な闘いへ

2021-05-13 16:53:34 | 日記
 2017.03.17

  今日は一日会社に休みを貰い、昨日の再診で市大病院へ向かう。

  簡単な診察の後、入院先が決定したことを伝えられる。

  その足で、NTT西日本病院へ向かう。

  主治医を紹介され病気について説明を受ける。

  白血病と言っても、数種類ある。

  まず、急性と慢性の2種類。さらに骨髄性とリンパ性に分かれる。

  白血病 → 急性 → 骨髄性
          リンパ性

        慢性 → 骨髄性
          リンパ性

  他に、血液系のがんとして

  成人T細胞、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫などがある。

  悪性リンパ腫は最近では、アナウンサーの笠井信輔氏が先日退院して、

  テレビに復帰した事で有名である。

  血液の中には、赤血球、白血球、血小板と3つの血球がある。

  これらの血球が作られる過程で、生まれたての血球(芽球)が

  本来赤血球、白血球、血小板に形成されるのだが、その過程で何らかの

  異常で白血病細胞と呼ばれるがん細胞が作られ、血液や骨髄の中で

  無秩序に増殖して行くのが白血病だ。

  ここで急激に進行するのが急性白血病でゆっくりと進行するのが

  慢性白血病。

  そして、そのがん化した細胞の種類によって骨髄性、リンパ性、

  骨髄異形成各種のリンパ腫とに分けられる。

  自分の場合は、がん化した細胞が骨髄の中で急激に増殖した為、

  通常は血液中には流れ出てこない芽球が、血管中に溢れ出て、高数値

  となって検査結果に表れたのだ。

  当然のことながら骨髄中にも表れていて、結果白血病細胞の数値基準を

  大幅に上回っていた為、急性骨髄性白血病と診断された。

  発症の原因は不明で、先生曰く、交通事故のような病気ですと。

  因果関係は全くなく突然事故に遭うようなもので、対処法がなく、

  10万人に6人の確率で発症するという。

  数値上は20%とか30%という数字でしか出て来ないが、そこは

  とても分かりやすく説明をしてくれた。

  血中、骨髄中に溢れ出た芽球を取り出せるとして、それを両手で

  くるくると丸めると、ソフトボールほどの大きさになるという。

  それを考えると、大変ながん細胞の量だと理解ができる。

  治療法、入院期間など説明を受け、

  3月21日の入院に決定する。

  入院までの3日間、今まで考えもしなかった、自分の生きてきた人生、

  これからどうなって行くのか、「治ります、今は不治の病ではないです」

  という先生の言葉を信じようとするも、死ぬかもしれないという不安、

  いろんな感情が頭の中をめぐり、寝れなかった。

  これから始まる壮絶な出来事はこの時は、まだ知る由もなかった

宣告、そして入院へ

2021-05-10 10:14:41 | 日記
 2017.03.16

  この日の仕事は、朝から建築現場パトロールだった。

  現場の安全、衛生、環境など、作業員及びそれを監督する現場監督

  そして作業場、休憩所など現場内の安全衛生状態を、パトロールすること

  で注意喚起をし、危険予知活動、パトロール結果報告など、内容を月例の

  協議会にてフィードバックし、注意喚起を促す。

  この日は、午前中1件と午後から2件の予定で出発する。

  午前中の現場を終え、途中の昼食もあわせて次の現場へと向かった。

  朝から診察の事が気にはなっていた。

  市大病院の先生から直接電話があったのはその時だった。

  前回初診時の血液検査の結果が出たので、すぐ来院して欲しいと。

  現場へ向かう途中で、空腹も重なり少し焦っていた。

  「これから仕事の予定があります。すぐに行かないとだめでしょうか。」

  「はい、すぐに来院して下さい。」

  この時はまだ、これから向かう現場の事で頭がいっぱいで、

  先生の言葉を深く理解する余裕がなかった。

  出来れば次の日以降に伸ばして貰おうと考えていた。

  そのあとの先生の言葉を聞くまでは。

  「検査結果に何かあったのでしょうか。」

  「はい、BLAST(芽球)の値が30%を超えてます。」

  およそ今まで生きてきた人生の中で、当然聞いたことのない言葉だった。

  「先生、それっていうのは悪いんでしょうか。」

  「その数値は高いんでしょうか。」

  こんな子供みたいな聞き方しか出来なかった。

  「はい、高いです......」

  それ以上言葉はなかった。

  先生の言葉のニュアンスでその重みがわかった自分は、頭の中がその時

  切り替わった。

  「分かりました......」と。

  すぐに午後からの現場の責任者に連絡を取り、代わりの社員に指示をし、

  会社には事後報告として、その足で市大病院へ向かった。

  病院に到着すると、初診受付から始まり一連の手続きが取られた。

  ほどなく診療階に案内され、血液内科診療の前で待つ。

  呼ばれるとすぐに診察台へ。

  看護師さんの指示に従って、うつ伏せ状態になり先生の治療が始まる。

  その時の自分は、少しのパニック状態になっており、感情の赴くままに

  いろんな質問を浴びせた。

  「治るんでしょうか。」

  「入院になるのでしょうか。」

  「どれくらいの期間入院でしょうか。」

  「治るまでどれくらい時間が掛かるのでしょうか。」

  「費用はいくら掛かるのでしょうか。」

  すべての質問に先生は答えてくれた。

  全部を受け入れようと、いろんな事で頭の中がいっぱいになる。

  検査は、骨髄穿刺という方法で、うつ伏せのまま腰の部分に麻酔をし、

  その中心部に太めの針を刺していき、腰骨まで到達するとさらに針を

  挿入していき骨の中の骨髄液を吸入するというもので、人それぞれだが

  結構痛いものと認識があるようだが、痛みは殆ど無く知らない間に

  終わった。

  針の挿入部がふさがるまで、1時間ほど仰向け状態で経過を待つ。

  診察が終わり待合で待っていると、再度診療室に呼ばれ結果を聞く。

  やはり骨髄液中のBLAST(芽球)の値が高いので、AML 急性骨髄性白血病

  と診断確定する。

  入院は決定するが、病棟に空きがなく翌日再診となり、その日は一旦

  会社へ戻る。

  上司に一連の流れを説明し、病名、入院、期間など報告する。

病名宣告

2021-05-08 09:55:26 | 日記
 2017.03.11

  実はその紹介状には、続きの文書があった。

  それは、AML 急性骨髄性白血病......の疑いの為、再度の精密検査が

  必要です......と。

  まだ疑いがあるという段階だった。

  疑いはあるが再度の精密検査によって、それが晴れる場合も考えられる。

  僅かな望みを持ってその診察日まで極力普通に過ごそうと努めた。

  1日目は微熱はあるものの自宅でごく普通に過ごした。

  2~3日目は、以前から予約をしていたこともあって、東京へイベント

  の参加の為遠征していた。(微熱は続いてる)

  ただその間も、一抹の不安が常に付きまとっていた。



 2017.03.14

  会社に出勤し午前中の仕事のあと、紹介状を持って病院へ行く。

  月一の割合で通っているその病院は、会社の健康診断でコレステロール値

  が高いための投薬治療で、簡単な診察のあと薬の処方をしてもらう

  だけで、主治医の先生も特別なことはしない。

  体の調子を報告し、それについて先生がアドバイス的に話をする。

  だいたい10分程でいつも終わる。

  この日は事前に医院から連絡が入っていたせいか、受付を済ませ

  紹介状を提出すると、程なく名前が呼ばれて診察室に入った。

  主治医が早速紹介状を広げ、病名は聞かれてますかと、いつもより

  少しトーン低く話しかけてきた。

  自ら封を開き、それを検索した自分自身にとっては、あらためて病名

  を宣告される事になる。

  すでに知っていた自分は、少しの罪悪感も手伝って「いいえ」と答えた。

  そして、主治医から病名が宣告された。

  おそらく普通はここで、衝撃を受けてパニックになり取り乱し主治医に

  怒涛の如く質問を浴びせ、頭の整理が付かないまま茫然とするのだろう。

  しかしその時は冷静に受け取っていた自分がいた。

  ここの病院も比較的大きな病院で、救急病棟もあり診察科も多く、設備も

  整っているのだが、血液内科がない為ここでは治療ができないという。

  主治医より市大病院を紹介され、早速予約を入れて頂き日程が決まる。

  3日後の診療日まで時間がある為、その日は一旦帰宅する。

  次の日、その次の日と不安の中仕事を続けていよいよ明日が診察日かと、

  思っていた矢先に、市大病院の先生から直接電話があったのは、その日の

  午後だった。

血液検査結果、そして衝撃的な...

2021-05-05 10:47:09 | 日記
2017.03.10

 微熱のまま出勤する。

 午前中に、昨日の血液検査の結果を聞きに医院へ向かう。

 感染症の数値が高かったが、感染症の原因となる可能性の

 項目に付いては異常なところはなく、様子を見る事で医院を出て

 会社へ戻る。
 
 微熱、感染症の数値、何が原因なのだろうかと不安のまま仕事を続ける。

 午前中の仕事、昼食とひと段落して午後の仕事に取り掛かる。

 気にはなるが、考えても仕方のない事だと思い、仕事に集中する。
 
 午後、突然医院からの電話が携帯に入った。

 血液検査結果の内容で、いくつか伝えたい事があるという事だった。

 仕事をひと段落させ、再度医院へ向かう。

 医院に着いてさっそく電話の件を言うと、すぐに診察室へ通されその医院の

 おそらく奥さんであろう人がしきりにこちらを見ていて、やけに丁重

 案内してくれた。

 その雰囲気に違和感を感じながらも診察室に入った。
 
 前回の検査より精密な血液検査を行ったらしく、各項目中で白血球の

 成分項目に異常が見られるので、至急再度の精密血液検査を強く

 勧められた。

 あまり病院には掛からないほうで、今まで風邪ぐらいでしか行った

 ことがなく、病院とは無縁だと思っていたので今回もあまり深くは

 考えないようにしていたが、この時ばかりは先生に、ねほりはほり

 と質問を浴びせた。

 しかし先生からの答えは、この病院では詳しい事はわからないと

 一貫して再度の精密検査を勧められるだけだった。
 
 掛かりつけの病院を聞かれ、その当時、薬だけの処方で月1回ほどの

 割合で行っていた(毎年会社で健康診断を実施する)病院を言ったところ

 先生から大手の市大病院を提示され、どちらか選択するよう聞かれた。

 知っている病院が行きやすいと考え掛かりつけの病院に決める。

 先生はカレンダーに目をやり、すぐに日程を決めるべく先方の病院と

 連絡を取り、主治医の診察可能日を決定した。

 診察日まで3~4日ある。

 紹介状を書いて頂けるとの事だったので、帰りに受け取り会社へ戻る。

 会社へ戻り、ひと段落......

 しかし、仕事をしつつも、どうしても気になることがひとつあった。

 普通はそれは開封せずにそのまま主治医に手渡すものであろう。

 のり付けされ、封印まで押してある。

 自分自身の体に関する事が書いてあるのだ、何も遠慮することはない。

 そう思ったらそれをせずには居られなかった。

 じわじわと、なるべく痕跡の付かないようにめくって行く。

 中身を取り出した。

 いままで見た事のない英字略語が目に飛び込んできた。

 その3文字を即検索する。

 およそ今まで経験したことのない感情と、過去の記憶と検索結果の内容

 が交差して、一瞬わけがわからなくなる。

 え? マジか......
 
 そこにはこう書いてあった。

 『 AML 急性骨髄性白血病』 と。

微熱が続く中、血液検査へ

2021-05-03 10:05:28 | 日記
2017.03.06

 朝、熱を測ると下がっており、微熱だったので大丈夫だと思い

 出社する。

 会社でのその日は、しんどい感じはあったがそれほどではなかった

 ので、通常通り仕事をする。


2017.03.07 ~ 2017.03.08

 前日からの多少のだるさ、しんどい感じはあり熱が上がったり

 下がったりで、相変わらず微熱が続いていたが、出社し仕事を

 する。

 
2017.03.09

 この日も朝、微熱があったので、いよいよこれはおかしい、

 これだけ続くのは何かあると思いはじめる。

 出勤はしてとりあえず様子をみようと、体温計持参で

 合間に体温を測りながら仕事をする。

 やはり微熱は治まらず仕事をひと段落させ、近くの内科へ

 診療に行く。

 インフルエンザの検査と尿検査は特に異常はなかった。

 先生が念のため血液検査をしましょうとのことだったので

 採血をしてもらう。

 結果は、次の日に出るとの事で一旦会社へ戻る。