厚生労働省の戦没者慰霊巡拝で昨年2月、フィリピンを訪れた下関市伊倉本町の農業、金田博美さん(63)が、「祖父に逢(あ)いに行く フィリピン慰霊巡拝団に参加して」(ブイツーソリューション発行)を自費出版した。38歳で戦死した祖父、操さんの足跡をたどりながら、孫世代の視点から戦没者巡拝や戦争への思いをつづっている。
操さんは激戦の地となったフィリピン・ルソン島で戦死。金田さんは自らも孫が生まれ祖父と呼ばれるようになり、遺影でしか知らなかった祖父に少しでも近づきたいと、操さんについて調べ始めた。「記録として残せる最後の世代であり、調べないと祖父が生きていたことの全てが消えてしまう」と思ったという。
操さんの長男で2018年に亡くなった父、忠雄さんが生前、慰霊を願いながらかなわなかったことから、「やり残した宿題」を引き継ぎ、8日間にわたるフィリピン巡拝に参加。祖父が最後に見た場所に立ち、祖父の最後の思いに寄り添った旅の様子を昨年5、6月、山口新聞の「東流西流」で9回にわたり執筆した。この原稿に加筆し、1冊の本として完成させた。
同書は26編で構成され、公的な資料を取り寄せて祖父について調べていく中で分かったことを前半でまとめ、後半で慰霊巡拝を取り上げた。弾よけ神社と呼ばれ、戦時中出征軍人の家族から多くの写真が奉納された山口市の三坂神社で今年2月、操さんの写真が見つかったことも追記に書き残した。
金田さんは「特別な勲章もなく、戦地からの手紙や遺骨、遺品があるわけでもない。祖父と同じようにたまたまその時代に生まれたというだけで、多くの若者が自分の意志と関係なく派兵された悲惨な戦いが少し前のこの国にあったことを忘れてはいけない。この本を一番書かせたかったのは祖父ではなかったかと思う」と話す。
千冊発行。定価1100円(税込み)。インターネット通販「アマゾン」などで販売している。
操さんは激戦の地となったフィリピン・ルソン島で戦死。金田さんは自らも孫が生まれ祖父と呼ばれるようになり、遺影でしか知らなかった祖父に少しでも近づきたいと、操さんについて調べ始めた。「記録として残せる最後の世代であり、調べないと祖父が生きていたことの全てが消えてしまう」と思ったという。
操さんの長男で2018年に亡くなった父、忠雄さんが生前、慰霊を願いながらかなわなかったことから、「やり残した宿題」を引き継ぎ、8日間にわたるフィリピン巡拝に参加。祖父が最後に見た場所に立ち、祖父の最後の思いに寄り添った旅の様子を昨年5、6月、山口新聞の「東流西流」で9回にわたり執筆した。この原稿に加筆し、1冊の本として完成させた。
同書は26編で構成され、公的な資料を取り寄せて祖父について調べていく中で分かったことを前半でまとめ、後半で慰霊巡拝を取り上げた。弾よけ神社と呼ばれ、戦時中出征軍人の家族から多くの写真が奉納された山口市の三坂神社で今年2月、操さんの写真が見つかったことも追記に書き残した。
金田さんは「特別な勲章もなく、戦地からの手紙や遺骨、遺品があるわけでもない。祖父と同じようにたまたまその時代に生まれたというだけで、多くの若者が自分の意志と関係なく派兵された悲惨な戦いが少し前のこの国にあったことを忘れてはいけない。この本を一番書かせたかったのは祖父ではなかったかと思う」と話す。
千冊発行。定価1100円(税込み)。インターネット通販「アマゾン」などで販売している。
「祖父に逢いに行く」
フィリピン慰霊巡拝団に参加して
Amazon紙の本1,100円
www.amazon.co.jp/dp/4434286900
電子書籍(kindle)858円
www.amazon.co.jp/dp/B091CHP7FP