昼食後、録画していたインディジョーンズを観る。
さすがにスピルバーグ作だけあって何度観ても面白い。
このような冒険小説的な映画が最近は少なくなった。
CGの技術は圧倒的に進化してリアルを追及しても、ジョーズでなかなか姿を現さないサメの背びれが見える方が、ジュラシックパークで恐竜がまだ見えなくても、恐竜の足跡に溜まった水の波紋が徐々に振動して大きく波打つ方が完成度の高いリアルな恐竜を直に観るよりよほど怖い。
お化けが出る前の演出が効果的なほど、ほんとに姿を現した時に怖いと思うのと同じだと思う。
今、向田邦子さんの弟、向田保雄さんが書いた「姉貴の尻尾」を読んでいる。
ほんとに向田邦子さんは面白い。
☆彡関係ないけど 村上春樹
➣国境の南、太陽の西より
・そして僕のあらゆる言葉はその力を失い、窓にはりついた雨の水滴のように、現実の領域からゆっくりとこぼれ落ちていった。雨の夜はいつも息苦しかった。それは現実を歪め、時間を狂わせた。幻想を見ることに疲れ果てると、僕は窓の前に立っていつまでも外の風景を眺めていた。ときどき自分が、生命のしるしのない乾いた土地にひとりで取り残されてしまったように感じられた。幻影の群れが、まわりの世界から色彩という色彩を残らず吸い尽くしてしまったようだつた。目に映るすべての事物や風景が、まるで間に合わせにつくられたもののように平板であり、うつろだつた。そしてそれらはみんなほっこり砂色をしていた。