九塞溝・黄龍の旅
自己抹殺
自己抹消
すべての 絆から
すべての 束縛から
解き 放たれたい
無の 世界に
煩悩から 逃れたい
この世の あらゆる欲望から
出来ぬと 知りつつ
主義主張 全てから
我意我欲から 逃れたい
出来ぬと 知りつつ
心の欲望 安寧を妨げる
安寧を求め 心さへ
安寧を 妨げる
悟りの 心
全てが 無になる時
それは 死かも
釈迦さへも 涅槃になる時
それは 死の時
全てを 捨てた時に
初めて得る 安寧の時
それは 死
人 生ある内は 欲の塊
望む事さへ 安寧の妨げ
安寧求める 心さへも
心の葛藤 絶える事なし
我への 人の切望さへも
安寧の 妨げ
唯我独尊 ならず
ただ 我を抹殺したし
この世から 己を消し去りたい
心の 安寧の為に
今も尚 軒を連ねて 商うや
八百屋に雑貨 庶民の店が
ガラス張り ホテルと思えぬ シンプルさ
今宵の宿は 蘇州マリオット
中国の 新幹線が 滑り込む
瀋陽ホームに 勇姿表す
口ずさむ 「月の砂漠の・・・」 名曲を
砂漠に映る ラクダの陰見て
重機満ち 今は更地で 造成ぞ
かっての街、村 何処かに失せて