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いい家 5

Toriushi120128

「いい家」という事で第4回まで書いて終わりにしたんだけど、これはぜひ書いておきたいという事があって追記します。

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新築であっても、中古であっても、一戸建てまたはマンションに関わらず、自分の家を持つ という事は、とても幸せな事です。

幸せな事だから 「みんなが笑顔」でいられるもの、 「楽しい!」 って感じられるものじゃなきゃいけないと思います。

ハウスメーカーの家だとか建売だとか関係なく、そこに住む人が「幸せ」ならそれでいいわけです。また、設計事務所に頼のむと「幸せ」になれる家ができるというわけでもありません。

世の中の家を持った人がみんながみんな「幸せになった」かというと そうではなく、ちまたには、「失敗した」「こんなはずじゃなかった」「騙された」という話しがたくさんあります。

そんな話を読んで、聞いて、とても悲しくなります。家を持つ、持てる、という事は、本当に・・本当に幸せな事なのだから・・そうあるべき事なのだから。。

「笑顔になれる」・「楽しいって感じられる」という事を書いていますが、その言葉から感じる気分とは違って、作る側としては、重大な使命であり、自分への戒めであるのです。

家を持つという事は、施主の、それまでの人生を頑張ってやってきた結果としての一つの証(あかし)でありますし、土地との出会い、真面目に一生懸命作る人達との出会いがあってこそ成し得るものです。偶然であるかもしれないし、幸運(必然的な出会い)であるのかもしれません。

ご自分の努力があってこそではあるけれど、それまでの人生に関わった多くの人々や出来事・物事との関係の延長にあるわけで、「家を持って幸せである」というのは、そうゆう多くに感謝する事の上にあると思います。

だから、家というものには、「神聖な」部分 または 「祈りの場」という要素が、大切だと思うのです。

神社や寺院や教会とか、そうゆうものとは違うけれど、何かの瞬間、何か「神聖な」事を感じられたり、少し清らかな気持ちになれて、「ありがたい」って思える家が、いい家 なんじゃないかと思います。「何に対して」というのではなく 感謝の気持ち を持てる時がある家が・・・。

神聖な気持ち、清らかな気持ち、感謝の気持ち を持つという事は・・・ 心を豊にしてくれる事 ・・・かなと思います。

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いい家(完)

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いい家 1
いい家 2
いい家 3
いい家 4
いい家 5

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それをどう表現するか、っていう事が問題で、作り込んで表現する事も可能かもしれないけれど、自分の場合には、その方向ではなく、むしろ 表現を少なくした 「素」 の場を作る事で 「感じる場」を作りたいと思うのです。しかし、その場合、自分の意図とは全く関係なく、予想もしない場面に「それ」が表れて、、、(自分にとって)まだまだ「無力だ=」と感じる場が出来てしまいます・・・・。

写真は、鳥牛之家

引渡前のある日の朝。季節は冬。誰も住んでいないので冷え切った空気が、トップライやロフトの小窓から入った陽によって急激に温められ、家の中なのにモヤのような空気になりました。ソフト仕上げみたいですが、一切画像をいじっていません。こんな瞬間に、ちょっと清らかな気持ちになります。

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東京 暮しリノベーション > 志田茂建築設計事務所

思い描く暮らしの物語がはじまる上質な場 をつくります。


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