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50才を過ぎて三度、ユーミンを好きになる

荒井由実 - ひこうき雲 MUSIC CLIP 

 

荒井由実の頃の唄は好きだった。

松任谷由実になって、なんだか離れてしまった。

バブルの頃、スキー全盛の時代・・・

「私をスキーに連れてって」で、ユーミンの唄は20代の多感な頃の重要なものになった。

その後・・・また離れていった。

ぼくは結婚し、子供が生まれ、独立し、ユーミンの世界とは違う世界を生きていた。

バブルの頃からエンターテイメント性の強くなったユーミンの唄やライブが、好きになれなかったのもあった。

50歳を過ぎ、「人生の上り坂を越えてしまった」感覚が生れた。

そのとたん、先の見えない闇が目の前に広がっていた。・・・

見失った。。歩いていても向かう先が見えなかった。

それは自分の作った闇だった事に気づくのに少し時間が必要だった。

「頂上だ」と思った場所は、単に「丘」のひとつでしかなかった。

丘を越えた先に見えたのは、もっと高い山で日が遮られていた場所だったのだろう。

歩いた。もちろん「坂」だとわかって歩きはじめていた。

ふと、ユーミンの唄が聞こえてきた。

ユーミンは60歳を超えていた。

自分が20代30代の頃の、ギラギラしていたユーミンではなくなっていた。

60歳を超えたユーミンは、とても自然体に見えた。

勝手な思い込みだろうけれど、ユーミンも

「ユーミンを演じる自分を止めた」ように感じた。

そんな彼女の唄は、とても温かかった。

ユーミンを好きになった。・・・3度目。

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