第2回着る人委員会特別イベント「5-9きもの」でびゅー
呉服業界は長期にわたり右肩下がりが続き、最盛期2兆円を超えていた売上も、昨年は3千億円ほどに縮小している。しかし皮肉なことに、着る人委員会のアンケート回答にもあったように、業界は厳しい一方だが、最盛期よりも今の方がはるかに「きものを着る人」は増えている。東京は格段に多い。このギャップはなんだろうか?と親しい業界人と話していたとき「ABCのはなし」になった。Aは、アーティスト、芸術家であれ。Cはクラフトマン、職人であれ。そしてBは、ビジネスマン、経営者であれ、のそれぞれの略。しかし呉服業界は、「いいものさえ作っていれば売れる」という思いが強い。「こんなにいいものを作っているのに世間は見る目がない」に陥り、この「いいもの」がいつの間にか、「自分たちにいいもの」になってしまったような。「売れないのは、けっして世間が見る目がないのではなく、そのきものが魅力がない」のが一番の原因ではないのか。そんな思いとともに、今までの呉服業界、顧客など足元から、将来の顧客へと顔を上げ、視野をもっと広げてみると違った「着る人がいる」風景が見えてくる。着る人にとって常に「いいもの」とは何かを問い続け、その答えを模索するのがB=ビジネス。幸いなことに、きものを着る人も多いが、きものを好きな人、きものに関心を持っている人はもっと多い。潜在市場はある意味、今の数10倍はあるはずで、いままで足りないB、「着る人がほしい、その着姿を見た人がかっこいい、ステキ」と思うきものは、どのようなきものなのか。これを突き詰め、作りだしたのが今回発表する5-9きものです。ABC、見事に3つそろっているかどうか、その答え、審判は31日、1日においでになった方々により、くだされます。ハラハラ、ドキドキです。
フランスの哲学者アランの「幸福論」は名著ですが、3.11以降新訳もでるなど、一段と話題になり、読む人が増えています。その幸福論の中に「つまらない芝居を見ると退屈する。しかし自分が芝居に出る時には、つまらない芝居でも退屈しない。だから幸せになりたいなら舞台に上がらなくてはいけない」と。
今週末、31日、4月1日の土・日は着る人委員会の2回目のイベント。観客ではなく、ぜひご一緒に参加してください。当日は5-9プロプロジェクトに参加した三勝・天野社長、藤井絞・藤井社長、西村織物・西村取締役、花想容・中野店長といずれもモノを作りの現場に入って仕事をしている面面で、当然ながらそれぞれの技法や表現、もちろん着方やお手入れなど扱いにも詳しい。これだけの人がそろうのも珍しい機会です。さらに、おなじみのきものの生き字引のひつじや・上田社長、あづまやきものひろば・柴川社長、きもの大好きで、惚れこんだものをまず着て試して、って御商売より着物道楽ではといわれている八王子坂本呉服店の若女将・坂本社長、さらに横浜桜木町・丹羽呉服店の若旦那・丹羽さん。新婚早々の出雲のまにわ若女将の馬庭さん。浜松の高木京染店の高木法子さん。また着る人委員会を代表して佐川さん、立川さん、雨宮さん。もちろんアレコレ編集長も。これだけのきもの好き、きもの数奇か?がそろうのは本当にめったにない、着る人委員会のイベントならではのこと。きもののこと、話し始めたら止まらない面々ですから、ぜひごいっしょに、それこそアレコレお話ししましょう。単衣、夏のきもの暮らしのヒント、たくさん引き出してください。
今週末3月31日、4月1日に開催される着る人委員会の第2回特別イベント。作る人、着る人、売る人の3者が、「快適に切る、楽しむ単衣、夏きもの」をテーマに集まり、意見交換します。いずれもきものを”着る人”ばかりですから、普段着る機会の少ない方や、今年こそ夏デビュー、きものデビューしようという方、不安に思うことやわからないこと、「それホント?」と思うことなど、なんでも疑問、質問にお応えできます。
たとえば「居敷あて」って本当に役にたつの?自宅洗いするので、仕立ての際に呉服屋さんに必ず伝えることは…、竹繊維など、新しい下着がどんどん出ていますが、本当に効果ありますか?なんて着る人の実感や経験豊かな呉服屋さんがそれぞれの質問に回答します、結果は、このブログでも掲載しますので、参加される方も、参加しない方も、この機会にお聞きになりたい問題や質問をこのコメントか、info@arecole.comまでお寄せください。