京都・西陣は、言わずとしれた日本で一番歴史のある最大の帯産地。今回ご登場頂いたのは服部織物(株)・服部社長、(株)西陣まいづる・舞鶴社長、そして弓月、でにむどすでご存じ方も多い秦流舎・野中舎主です。3人の方々に共通するのは、日々きものを着て仕事をしている方々ということです。何を当たり前のコトを、と思われるかもしれませんが「紺屋の白袴」ではありませんが、きものを着て日々の仕事をしているきもの業界人は、増えつつはありますが実は数%しかいないのです。しかし3人の方々は自らがきものを着て自社の商品や他社の物であってもいい、といわれる物は積極的に身につけ、日々改善を進めています。
「着る人が少なくなって、何とか着てもらおうと努力をした結果、その努力が“作る努力”ではなくて“売る努力”になってしまったので、着る人との間に変なねじれ現象が起きてしまったと思っています。まず、そこを改善していかなければならない」「またいままで西陣は、着る人を考えて作ってきてはいますが、どうしても目先で我々の作った帯を買ってくれる室町、問屋さんの意見に左右されて作ってきましたが、これからは実際に着る人の意見をもっともっと積極的に聞いて作るう、ということでこの会に参加しました。」という服部さんの真摯な言葉を皮切りに、帯の質問からスタートです。
Q/作る人が考える「 いい帯の定義」とは何ですか。また、 しゃれ袋帯というのが、どういう意図で作られたのか、もうひとつ、よくわかりません。
A/ 薄くて、軽くて、締めやすいというのが、機能面ではいい帯の条件だと思っています。また丈夫で、個人さがものすごくありますが、色柄のセンスの良い物ですね。しゃれ袋帯は、帯もいろいろ楽しんでいただきたいということで作られています。使う方が使い方を決めて、自由に楽しんでいただければいいと思います。(服部さん)