アレコレ着る人委員会「平成きもの白書」

委員会は、着る人にとって好ましい商品やサービスや環境を積極的に情報発信し、快適なきもの環境を作ることを目指します。

これがみんなの洗い方(3)プロのアドバイス

2012-06-24 11:15:04 | 第2回アンケート

気仙沼たかはし」の高橋和江さんから、悉皆屋としての経験から、しかし「あくまでも私のやり方です」という、綿麻のきものの洗い方について以下のようにアドバイスしていますので参考にして下さい。

 

「最後にちょっとリンスを垂らして、すぐに数秒脱水をかけます。リンスを垂らすと風合いが変わりません。洗ってすぐの濡れている状態で、高温で当て布をしないでジュワっという感じでアイロンします。濡れている状態だと照りも出ないし、平織りのものならほとんど生地が動くので、引っ張ってもアイロンをかけられる。すごく簡単にしわが伸びます。アイロン後、半乾きの状態で干すときれいです」

 

 

 


これがみんなの洗い方(2)編集部の洗い方

2012-06-24 10:49:35 | 第2回アンケート

洗い方の基本はシンプルです。

♥きものを袖畳み → 洗濯機ドライコース → 室内陰干し(きものハンガーにかける)、シワのばし → 畳む(シワの気になる時は寝敷きorアイロン)(30歳、きもの歴3年、呉服店勤務)

その洗い方の情報取得は「本、雑誌」がトップで22人、次いで「ネット」21人、「呉服屋」12人、[我流、母から」各6人、「友人から、着付けの先生から」が各4人。「きものだからと特別に意識して、いない」でした。洗剤は「アクロン、エマール、アタック、アリエール」など家にある普段使いの洗剤で、中には重曹+液体石けん、エコタイプの洗剤という方も。さて「みんなの洗い方」、まず編集部では、こんな洗い方をしています。 

これが、編集部の洗い方

 1,  浴槽にごくぬるめの湯、または水を張ります。洗剤を使わず水洗いだけする方法もありますが、汗には皮脂も含まれるので、洗うときは少量の洗剤を使ったほうがさっぱりします。

2,  洗剤はおしゃれ着用洗剤か、普通の洗濯洗剤でも。汚れ落としという点では普通の洗剤のほうが優れています。

3,  本だたみにして二つか三つ折りにしたきものを浸けます。適当なネットがあれば、ネットに入れても。この時、たたんだ生地のなかにまで洗濯液が染みこむように押し洗いします。

4,  まんべんなく押し洗いをして洗いを終了したら洗濯機の脱水へ10~20程度秒かけます。

5,  再度同じ手順で水を張り2~3回押し洗いですすぎ、最後に脱水10~20秒かけます。

6,  すぐに取り出し、必ず袖までかかるきものハンガーに通して、日陰に乾します。

7,  濡れたままという方もいますが、慣れないときは半乾き程度のほうが扱いやすいでしょう。

8,  半乾きですぐにあて布をしてアイロンをかけます。

9,  余分な水分を飛ばしたら、きちんと畳んでおきます。

また、月刊アレコレ「取材記ブログ」の[長襦袢(5)]をクリックしますと、正絹長襦袢の洗いの模様が、詳細レポートされていますので参考下さい。


これがみんなの洗い方(1)洗ってみたら

2012-06-24 09:45:54 | 第2回アンケート

木綿や綿麻、麻のきものが活躍する季節になってきました。そこでしばらくは、第2回アンケートの回答(回答数/102人)から、「着る人の洗濯事情」をテーマにご紹介します。

おしゃれな洋服を洗うように、きものも洗ってみた

「この季節は、洗えるきものしか着ません」「洗えるから木綿や綿麻のきものを選んだ」と委員の82.4%(84人)という圧倒数が「洗う体験派」。洗濯機の機能が一段と細やかな設定が出来るようになったこともあり、みなさん、気軽におしゃれな洋服を洗うように、さほどの特別感もなくきものも洗っています。実際に「洗ったことで何か不都合や困った問題がありましたか」では「なかった」が60.7%(51人)、「あった」が38.1%(32人)でした。「あった」の回答の中にはご自分の洗い方の問題ではなく、呉服屋さんの思い込みや不手際が含まれていたのは、以外でした。どんなトラブルがあったかというと、洗い方やその段取り、また素材の確認など原因は幾つかありますが、起きたトラブルは「縮み」です。

♥仕立てたお店は私が自宅洗いするの想定せず、別布の「居敷き当て」がべローンと伸び、きもの丈より長くなった。(40歳。きもの歴3年、主婦)

♥木綿のきもので、仕立て前に水通しされていなかったものは丈が大幅に縮んでしまった。(41歳、きもの歴3年、会社員)

♥水通しをお願いして仕立てて頂いたはずの、居敷き当て付の綿麻のきものが洗ったら表生地が大幅に縮んでしまい、居敷き当てが見えるように…。来年信頼できる呉服屋さんに相談して、再度仕立て直す予定です。その時はあきらめて居敷き当てを外すかもしれません。(35歳、きもの歴3年、会社員)

♥正絹などは風合いが変わってしまったような気がします。(40歳、きもの歴8年、主婦)

♥木綿・麻・ウールは場合によって縮みます。私が洗った中では阿波しじらが一番縮みました。着られないサイズまで縮むとはショックです(^_^;)(37歳、きもの歴7年、自営業)

♥リサイクルの古着をとりあえず洗ってみたところ、臭いがすごく出てきて閉口した。浴衣は問題なし。(62歳、きもの歴2年、派遣社員)

♥麻だと思って洗ったら、絹の縮だったらしく、板のようにごわごわになってしまいました。(53歳、きもの歴4年、ポーセリングアーティスト)

♥昔、ウールきものを洗ってつけ置きしたのを忘れて放置しすぎたら、とてもとても縮んだ。()38歳、きもの歴6年、きものスタイリスト)


思いこみ、行き違い、コミュニケーション不足…

2012-03-25 09:55:53 | 第2回アンケート

第2回着る人委員会アンケート③

ご自分で洗うことを決めて木綿や麻、ポリを選んでいる方が多く、当然のように洗い方や洗うことによって縮むことは想定しているのですが、生地の種類などによって縮み率が違うから厄介ですね。またこんなコメントもありました。

♥水通しをお願いして仕立てていただいたはずの居敷当て付きの綿麻のきものが、洗ったら表生地が大幅に縮んでしまい、居敷当てが見えるように…。来年信頼出来る呉服屋さんに相談して、再度仕立て直す予定です。その時はあきらめて居敷当てを外すかもしれません。(35歳、きもの歴3年、会社員)
♥仕立てた店は私が自宅洗いするのを想定せず、別布の「居敷き当て」が ベローンと伸び、キモノ丈より長くなった。(40歳、きもの暦3年、主婦)

♥木綿きもので、仕立て前に水通しされていなかったものは丈が大幅に縮んでしまった。(41歳、きもの歴3年、会社員)

木綿や浴衣といえども、今まできものは専門家がお手入れするもの、という思い込みが呉服屋さんにもあるのかな。ちょっとした確認、アドバイスがあれば防げることばかり、ですよね。今回の5-9きもののプロジェクトメンバーの呉服屋さんの中でも、単衣のきものの仕立てに関しては、多少意見が異なっていました。今回も出席アドバイスいただく蒲田のひつじやさんは「夏の単衣は、少しでも涼しく、快適に着ることを第一義とすると、居敷き当てはお勧めしません。しかし、透けるものや、体型のふくよかな方、また着る頻度の高い方には、透け防止ときものの補強を考え、大居敷き当てをお勧めします。着る人の要望でさまざまな対応ができ、そのメリット、デメリットをお話しして、最後はお客様に選んでいただきます。また最近は自宅で洗う方が多いので、洗い方は説明していますが、さらに着方や好みを言っていただければ、生地によって特性がありますから、仕立て前にどれくらい縮めるかなど、事前の下処理を考え、仕立てに回和すこともできるので、もう一言言ってください。」とのこと。ここまでお互いに話し込むと、安心して自宅で洗えるんでしょうね。快適な単衣きものを仕立て、着るためのもっと詳しいお話は当日、直接ご質問、お問い合わせください。

まだ参加受付しています。

お申込みはこちらinfo@arecole.comまたはFAX03-6808-1819まで


わぁぁ!、縮んだ!

2012-03-24 10:06:47 | 第2回アンケート

第2回着る人委員会アンケート②

♥木綿、麻、ウールは場合によっては、縮みます。私が洗った中では阿波しじらが一番縮みました。着られないサイズまで縮むとはショックでした。(37才、きもの暦7年、自営業)

♥手洗いで丁寧に洗っても木綿の浴衣は縮みます。仕様がないのですが。生地や仕立ての前の加工のよって違うと思うのですが、それぞれ縮み率?が違うみみたいなので、洗ってみるまでわからない部分があるのが、ドキドキです。(40歳、きもの暦4年、織元社員)

とあるように、一番のえっ!は「縮み」です。木綿、麻などの天然繊維はその植物の組織構成上、繊維として「縮む」特性を持っています。もちろん縮んでも、「湯通し」をすることによってほぼ元のように伸ばすことも可能ですが、「縮む」特性がありますので、また水に浸すと「縮み」ます。この「縮み」をできるだけ少なくするために、水通しや水洗いを事前に施して、自然な状態まで「縮めてしまい」仕立てる方法があります。これだと水洗いしても1,2ミリしか縮みませんが、裄を十分にして着たい、浴衣は短く着たい、などご自分の好みの着方や身長など体型サイズ、そして何より反物幅によっても違いますので、事前に呉服屋さんに相談して、仕立てるといいと思います。