縄文人と弥生人-「日本人の起源」論争 坂野 徹 (著)
日本人の起源をめぐる論争を振り返って人種交替説、固有日本人説、混血説、変形説など発展してきた経緯をとらえながら起源を探った本。 日本人がここまで起源にこだわるのは単一民族に近い状況であることも効いているのかと思います。ただ古代まで遡ればに日本列島自体も大陸の分裂に伴い出来たわけでやはりどこからかやってきたと言うのが事実だというのは間違いないことなのかとは思われます。現在の主流は自然と共生する縄文文化から大陸伝来の水田稲作の弥生文化が融合してきたという流れですが特に最近は縄文ブームであり起源を縄文へ見出すような傾向もありそうです。ただ日本人とは言えど様々な地域から由来した混血の集団となっているのは間違いなくある意味、日本列島人という言い方の方がしっくりくるのかもしれません。
この本には触れられてませんが下記のようなゲノム解析では渡来系が弥生人だったというのも少し崩されつつあります。こそがこれから歴史を明らかにしていくように思います。日本は人が流れ着いた吹き溜まりのような場所であったのである意味は特異点なのかもしれません。そういった意味でも日本人のルーツは面白い分野と言えそうです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます