
梅雨ですがあまりむしっとした感じは無く今年は過ごしやすいようにも感じてます。と言っている間に6月も終わってしまいそうですが。
教育機関とかと比較すると会社組織というのは縦の階層が非常にあります。欧米企業ほどではないにしろ多くの企業では成果主義が導入されることが一般的になってきました。こういった組織の中でどのような力学が働くのか?手柄の奪い合い、理不尽な人事、嫉妬とプライドなど人間は、人の足を引っ張る傾向があることが良く知られてますが会社組織で起こる「人間の足の引っ張り合い」や「いじめ」に 対人・社会心理学の観点から切り込んだのがこの本です。著者はそれいけココロジーとかを監修されたことでも有名な斎藤勇さん。
冒頭ではセレブレインの高城社長との対談もあり。
大きく1部の理論編と2部の応用編からなっていて1部では心理学の実際の実験から人間の不合理さや不思議な一面が明らかになってきます。
この中でも面白かったのは社内競争と権力乱用の件。
お互いに足を引っ張り合う関係を共貧関係と言いますが実際は皆で力を合わせるのが良いとわかりながらも足を引っ張り合ってしまうことが知られています。いわゆる囚人のジレンマのような関係です。社内の部署間の人間関係にもこれを持ち込んでしまうと共貧関係に陥りますがこれを解決するのはコミュニケーションによる視野の拡大です。囚人のジレンマも会話を成立させたとたん解決することが知られています。こういった観点からは社内で競わせようとすると逆に視野狭窄になり全体の利益が失われてしまうという危険性があるわけです。少しでもそういったことを防ぐためには積極的にコミュニケーション=議論する時間、話し合いを取らせるということがポイントなのでしょう。
また権力に関しては権限を持つようになるに従って自然とプライドが高くなり配下に対して敬意を求めたり、権力を活用しようとするようになる傾向が知られています。極端な例では学生を囚人と看守にして実験させた例が知られていますが地位が人間を作ることもあるのです。ということでそうなると出世すると嫌われるという結果になってしまうわけです。
こち論すべてに当てはまるわけではないですが上に上がる人は思っている以上に謙虚であるほうが逆にうまくいくということになることが予想されます。
2部の応用編では具体的な相談内容から1部の内容をトレースするような形で心理学的な側面から評価の先入観と公平に評価することのむずかしさ、不合理な人事の裏側などの話題が開設されています。読むと不思議に納得してしまうことしかり。
残念ながら人間が生きていく以上、他人との比較は避けられません。人間関係は底なし沼であるとはよく言ったものとは思いますがそもそも人間が支えあって生きていく以上、他者との関係というのは考えずにはいられないのが実情です。二歩の社会は協調性をベースとしたムラ社会だっただけに業績評価の導入は足に引っ張り合いに終始してしまう危険な面もはらんでいるといえます。こういった特性は知ったうえで生きていけば人間関係で本来生かすべき助け合いのメリットを最大限に生かすことが出来るのだと思います。
![]() | なぜ、嫌われ者だけが出世するのか? |
クリエーター情報なし | |
プレジデント社 |
教育機関とかと比較すると会社組織というのは縦の階層が非常にあります。欧米企業ほどではないにしろ多くの企業では成果主義が導入されることが一般的になってきました。こういった組織の中でどのような力学が働くのか?手柄の奪い合い、理不尽な人事、嫉妬とプライドなど人間は、人の足を引っ張る傾向があることが良く知られてますが会社組織で起こる「人間の足の引っ張り合い」や「いじめ」に 対人・社会心理学の観点から切り込んだのがこの本です。著者はそれいけココロジーとかを監修されたことでも有名な斎藤勇さん。
冒頭ではセレブレインの高城社長との対談もあり。
大きく1部の理論編と2部の応用編からなっていて1部では心理学の実際の実験から人間の不合理さや不思議な一面が明らかになってきます。
この中でも面白かったのは社内競争と権力乱用の件。
お互いに足を引っ張り合う関係を共貧関係と言いますが実際は皆で力を合わせるのが良いとわかりながらも足を引っ張り合ってしまうことが知られています。いわゆる囚人のジレンマのような関係です。社内の部署間の人間関係にもこれを持ち込んでしまうと共貧関係に陥りますがこれを解決するのはコミュニケーションによる視野の拡大です。囚人のジレンマも会話を成立させたとたん解決することが知られています。こういった観点からは社内で競わせようとすると逆に視野狭窄になり全体の利益が失われてしまうという危険性があるわけです。少しでもそういったことを防ぐためには積極的にコミュニケーション=議論する時間、話し合いを取らせるということがポイントなのでしょう。
また権力に関しては権限を持つようになるに従って自然とプライドが高くなり配下に対して敬意を求めたり、権力を活用しようとするようになる傾向が知られています。極端な例では学生を囚人と看守にして実験させた例が知られていますが地位が人間を作ることもあるのです。ということでそうなると出世すると嫌われるという結果になってしまうわけです。
こち論すべてに当てはまるわけではないですが上に上がる人は思っている以上に謙虚であるほうが逆にうまくいくということになることが予想されます。
2部の応用編では具体的な相談内容から1部の内容をトレースするような形で心理学的な側面から評価の先入観と公平に評価することのむずかしさ、不合理な人事の裏側などの話題が開設されています。読むと不思議に納得してしまうことしかり。
残念ながら人間が生きていく以上、他人との比較は避けられません。人間関係は底なし沼であるとはよく言ったものとは思いますがそもそも人間が支えあって生きていく以上、他者との関係というのは考えずにはいられないのが実情です。二歩の社会は協調性をベースとしたムラ社会だっただけに業績評価の導入は足に引っ張り合いに終始してしまう危険な面もはらんでいるといえます。こういった特性は知ったうえで生きていけば人間関係で本来生かすべき助け合いのメリットを最大限に生かすことが出来るのだと思います。
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