美しい日本語 (角川ソフィア文庫) | |
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美しい日本語 (角川ソフィア文庫) 金田一 春彦 (著)
弥生時代に端を発する農耕民族文化から他者との関係性や自然を大切にしてきた日本人。その豊かな文化を映しこんだ美しい言語である日本語を、言語学の第一人者:金田一春さんが多くの事例とともに解説した本です。日本語というのはほかの言語を学んでくるとやっぱ特殊なのかと思わずにはいられないものがいくつかあります。
ひらがな、かたかな、漢字の使い分け…たしかにひらがなだけでは不十分でなにしろ発音の種類がかなり限られている(英語の発音に苦労する…)同音語が多いので区別するために必要
心を表す言葉、人の心を推し量る言葉(義理、厄介、人情、迷惑、心遣いなど)が多い…農耕民族だったことから協調性、組織の中でうまくやっていくための文化から自然と増えたのでは
また総じて控えめを良しとする文化からジェスチャーが少ない、アクセントも少ないので言っていることが伝わりにくいことも。
「イギリス人は歩きながら考える。
フランス人は考えた後で走り出す。
スペイン人は走ってしまった後で考える。 」
日本人は「言い訳をして歩く」or「他の人が走りだしたのを確認してから走る」…まさに国民性。
そもそも主語、述語の順番からして最後まで話を聞かないとどっちに転ぶかわからないのが日本語。
自動詞が多い:英語では多用される他動詞だが日本ではあまり見られない。自分の行動をことさらことだてたくないという意思の表れか。 ただ自然現象では他動詞を多用するのが不思議なところ(ex.波が打ち寄せる)自然を尊重する意思の表れ??
日本語は自然に関する語彙が豊かとも言われますが体を表す言葉が乏しいとか味やにおいに関する表現が乏しいとかところどころ抜け落ちている所もあってそれまた面白いところ。
個人的には「おかげさまで」という表現が美しいと最近、感じています。日本で生まれてよかったと思う人も思わない人もいるのでしょうが個人的には総じて良かったと思う日々です。
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