
今週末は台風一過でいよいよ本格的に夏到来といったところでしょうか。
子供を持つか持たないか、希望する希望しないもありますがいずれにせよ人生にとっては大きな決断です。ただ晩婚化に伴い初産平均年齢年齢も上がってきており、ついに30.1歳になり、35歳以上の高齢出産は全国で1/4人に達しているとのこと。ただ人間の体はこういった社会の変化にはまだついていなけないのが現状です。本書はそんな社会的な背景を基にして取材をベースに高齢出産の現実と専門家の意見をまとめた本です。 筆者は25年のあいだ出産、不妊治療、新生児医療を取材し続けてきた女性ジャーナリスト。自身も高齢出産の親をもち、37歳で自身も高齢出産を体験するなど経験も豊富です。
保険体育の際に習ったかなあとうっすらと思いながら改めて認識したのが卵子が少なくなっていく一方のものだということ。生まれるまえの妊娠3か月の700万個をピークに思春期には20万にどんどん減り続けてきます。原始卵胞は卵子になる段階で選考されて排卵するのですが高齢化に伴いその選考段階の候補が少なくなってくるというのが事実のようです。本書ではミカン箱の中のみかんの経年変化にたとえられています。 自然妊娠率は20代に比較する約半分になってきますがこういった変化は卵子の老化、具体的にはエネルギー供給に作用するミトコンドリアの老朽化によるものがありそう。このエネルギー不足が染色体の異常につながる可能性を増やしており、20歳の15倍とも言われる危険性はこういった卵子の老化によるものと考えられます。
ただ歴史的に言うと高齢の出産が珍しかったかというと明治の女性はなんと45歳以上の女性の出産率は今の21倍もあったという記録があります。これは避妊の技術そのものがなかったということもありますがこれは若い時代に出産を経験し、子宮周りの血流が上がったりということもありそう。初産婦と経産婦の違いというわけです。
こういった背景から不妊治療を進めることが多いのですが日本は体外受精数だけで言うと世界一のようです。ただ妊娠率は45位/50か国と低いのが現実。これは外国では医療的な補助の年齢制限が若く、若い年代から実施するため成功率が高いというのが背景としてはありそうですが逆に言えばなるだけ若い方から取り組んだ方が成功率は高いということでしょう。
高齢出産は子供が完全に独立するまでに自身が定年を迎えてしまうだとかの生活の余裕のなさでのメリットも強調されますが逆に言えば成熟した心を持って育児が出来る可能性もあるわけで子供にとって悪いということは無いと思います。夏目漱石や羽生さんは高齢出産での子供ですし、逆に健康な子供が生まれているという研究結果もあります。
このような事実を知った上で自分が何を選択するかというのは自由だと思います。ただ実際、子供を持ちたいと考える前にこういった事実は知っておく必要はあるわけで学校でも教育していくのが良いのかと。あとこれらは平均値での話であって子供を看てもわかるように個人差が大きいのが現実です。改めて感じるのは子供が生まれるというのは奇跡的なことなんだということ。そんなことを改めて感じさせてくれた本でした。
![]() | 卵子老化の真実 (文春新書) |
クリエーター情報なし | |
文藝春秋 |
子供を持つか持たないか、希望する希望しないもありますがいずれにせよ人生にとっては大きな決断です。ただ晩婚化に伴い初産平均年齢年齢も上がってきており、ついに30.1歳になり、35歳以上の高齢出産は全国で1/4人に達しているとのこと。ただ人間の体はこういった社会の変化にはまだついていなけないのが現状です。本書はそんな社会的な背景を基にして取材をベースに高齢出産の現実と専門家の意見をまとめた本です。 筆者は25年のあいだ出産、不妊治療、新生児医療を取材し続けてきた女性ジャーナリスト。自身も高齢出産の親をもち、37歳で自身も高齢出産を体験するなど経験も豊富です。
保険体育の際に習ったかなあとうっすらと思いながら改めて認識したのが卵子が少なくなっていく一方のものだということ。生まれるまえの妊娠3か月の700万個をピークに思春期には20万にどんどん減り続けてきます。原始卵胞は卵子になる段階で選考されて排卵するのですが高齢化に伴いその選考段階の候補が少なくなってくるというのが事実のようです。本書ではミカン箱の中のみかんの経年変化にたとえられています。 自然妊娠率は20代に比較する約半分になってきますがこういった変化は卵子の老化、具体的にはエネルギー供給に作用するミトコンドリアの老朽化によるものがありそう。このエネルギー不足が染色体の異常につながる可能性を増やしており、20歳の15倍とも言われる危険性はこういった卵子の老化によるものと考えられます。
ただ歴史的に言うと高齢の出産が珍しかったかというと明治の女性はなんと45歳以上の女性の出産率は今の21倍もあったという記録があります。これは避妊の技術そのものがなかったということもありますがこれは若い時代に出産を経験し、子宮周りの血流が上がったりということもありそう。初産婦と経産婦の違いというわけです。
こういった背景から不妊治療を進めることが多いのですが日本は体外受精数だけで言うと世界一のようです。ただ妊娠率は45位/50か国と低いのが現実。これは外国では医療的な補助の年齢制限が若く、若い年代から実施するため成功率が高いというのが背景としてはありそうですが逆に言えばなるだけ若い方から取り組んだ方が成功率は高いということでしょう。
高齢出産は子供が完全に独立するまでに自身が定年を迎えてしまうだとかの生活の余裕のなさでのメリットも強調されますが逆に言えば成熟した心を持って育児が出来る可能性もあるわけで子供にとって悪いということは無いと思います。夏目漱石や羽生さんは高齢出産での子供ですし、逆に健康な子供が生まれているという研究結果もあります。
このような事実を知った上で自分が何を選択するかというのは自由だと思います。ただ実際、子供を持ちたいと考える前にこういった事実は知っておく必要はあるわけで学校でも教育していくのが良いのかと。あとこれらは平均値での話であって子供を看てもわかるように個人差が大きいのが現実です。改めて感じるのは子供が生まれるというのは奇跡的なことなんだということ。そんなことを改めて感じさせてくれた本でした。
親の気持ちはなかなかなってみないとわからないものなのでしょうが教育でできることはしておいても損は無いと思います。