Takekida's log

千里の道も一歩から

現代のゴールドラッシュ:生成AIの真の勝者

2024-09-14 22:17:43 | Books
 生成AI 真の勝者 島津 翔 (著) 
 サンフランシスコがゴールドラッシュに沸いた1848年を彷彿させる現代のゴールドラッシュが生成AI。OPEN AI、NVIDIAなど震源地となった企業はまたもやシリコンバレーから出てきたというのはすごいところですが過去のゴールドラッシュのようにいったい誰が勝者になるのかというのはまだまだこれから長い物語が続きそうです。シリコンバレーに在住する筆者が日経ビジネスや日系クロステックに掲載した記事がベースになっていますがあまりにも変化が速いためこの本を書く際にも相当見直しが入った様子。24年6月に発行されたものですがもう半年したら状況も相当変わってくるのかもしれません。
 AIモデル、AI半導体、プラットフォーム、国家間競争、人類vsAIという5つのテーマに沿って現状とこれからの覇権競争を探ることのできる内容です。
 特に当方の関わる半導体分野では生成AIで一気に勢力図が変わって来ました。しばらくGPU優位というのは変わらなさそうには思えますが推論モデルの構築化、多様化に伴い計算負荷を求めないモデルも台頭する可能性はありますし、よりAIがEdge側に来た時には力業というわけにはいかず動作効率(電力効率)が求められ、違うNeedsが生まれそうです。またSambaNovaのようにノイマン型コンピューティングからデータフロー型のコンピューティングに取り組み企業も増えてきたのでGPUにもまだまだ死角があると考えていたほうがよさそうです。
 筆者の指摘するようにゴールドラッシュでいうとつるはしやショベルのように道具律速で半導体が儲かっているというのが現状で今後は出口として生成AIで何ができるか?収益として生かせるのか?というのが大きなポイントで差がつくところなのだと思います。すでにプラットフォームではOPEN AI(マイクロソフト)が収益化し始めているわけですが現時点でAIに関する利益は88%程度も半導体分野が占めているとのこと。今後はプラットフォームというより最終的なアプリのところが育ってくることがさらに重要と思われます。金は有限がゆえに恩恵を受けるものは限定的だったのですが生成AIで生み出されるコンテンツ自体はまだまだ無限の可能性があるようには思います。道具を使って掘ったものは本当に金になるのか? 金にするための工夫をしたものこそが真の勝者になるのだと思います。
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