図解 歎異抄(たんにしょう) たよる まかせる おもいきる 齋藤孝 (著)
斎藤さんの解説した歎異抄のエッセンスが抜き出された本です。歎異抄は浄土真宗をひらいた親鸞の本当の教えが伝わるように弟子(弟子は持たないと言っているので徒党だったが正しいのかもしれません)であった唯円が記したもの。父方の祖父の宗派は浄土真宗であったこともあり大学時代に解説本を読んで感銘を覚えたのですがこの本はさらにわかりやすく解説してあるのが印象的でした。 自分で自分の道を切り開く、自己責任の風潮がある中で自力だけで生きるという考え方は捨てて自らの力ではかなわないものを知り、念仏を唱え自分の力が及ばないところは他力にすがり、力強く生き抜けよう、というのが大きなメッセージだと思います。自然災害や戦争など自分たちの力だけではどうにもならないことが起こっている時、良くこのことを思い出します。自分で自分の道を切り開くことに終始するのでなく「与えられた場所で精一杯咲くこと、自身の役割を果たすことが重要」という風にとらえることもできると思います。 歎異抄には有名な「善人なおもって往生を遂ぐ いわんや悪人をや」を代表とするようにパラドックス、反語的な表現が効果的に使われていて心に刺さってくるのが印象的だとあらためて思いました
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