言わずと知れたデイノケイルス全身骨格発見者、カムイサウルスの発見者である小林さんの恐竜学者になるまでの経緯が記された本。やや子供向けの内容で小学校中学年ぐらいからは読めそうな雰囲気です。 子供でも恐竜好きな人が多いので初志貫徹という内容なのかと思ったら恐竜王国の福井出身というのはあるのですが化石に興味を持ち始めたのは中学のころで恐竜そのものにのめり込んでいったのはもっと後。 ただきっかけになったのは粘ってアンモナイトの化石を見つける体験をしたことが根底にあるようです。それがはやぶさの目と呼ばれる粘りと観察眼につながったのかもしれません。
ただ周りの環境には恵まれていて高校生のころから学芸員や大学関係者のネットワークを持ち大学に入ってから留学するなど自分の幅を広げる体験をしてきています。ただ面白いのはこの時はまだ火がついておらず留学から戻ってから自身と向き合うことで2回目の大学入学=ワイオミング大に至ったこと。 環境の刷り込みはありながらも情熱が向かうきっかけは人それぞれなものなのだと思いますし、初めから狙いすましてというよりはいろいろな寄り道や偶然が重なって今に至るというのが人間模様としては非常に面白かったです。
新種を6つも発見している小林さんですがこれからもさらなる活躍が期待されます。プロとして意識していることとして「自分の未熟さを認識できる人、謙虚に他人の意見に耳を傾けることのできる人。」というのを挙げていました。慢心しないからこそ常に成長できるという教訓になりそうな言葉で心に刻んでおこうと思います。
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