Takekida's log

千里の道も一歩から

永遠の0

2014-02-01 23:16:09 | Books
1月もあっという間に終了。今年は積雪もほとんどなく通勤は助かってます。2月乗り切れれば購入したスタッドレスは今年に関してはあまり意味がなかったことになりますが…

永遠の0 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社


「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる―。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。

 去年の12/21に映画化された内容の原作です。コアな番組である探偵ナイトスクープの放送作家である百田尚樹さんの小説家としてはデビューを飾った2006年の作品。良くある戦争を題材とした映画と異なるのは自分の祖父のルーツを探るという形で物語が進行し、主役であろう祖父は常に他人の口から語られているという点で自分のような全く戦争を体験して人間にとっては感受移入しやすい視点ですし、より身近に感じられる工夫がされていると思います。 
 
 ただ評価に関しては賛否両論とのこと。確かに事実にあった話ではなく一部は架空なのだとはおもいますが戦争を美化しているという内容には少なくとも思えませんでしたし小説の中には軍上層部の方策や零戦への疑問、開戦の経緯からマスメディアへの指摘等がなされています。 歴史を習うということで風化させないというのはもちろんありますがこういった映像で残すことによるインパクトというのは少なくは無いと思っているので目くじらを立てるものなのか疑問です。自分にとって改めてまだ100年も経っていない時に同じ日本で戦争というものに直面していたという事実と少しでも向き合うきっかけにさせてもらったとは感じます。
 
 自分ももし生まれた年代こそ違えば戦争を経験していたでしょうし、主人公のような選択を迫られたことでしょう。コンプライアンスという言葉がありますが戦時のような状況で家族への責任や愛の名の元に自らの感情を押し通すことができたのかどうか。自分にはそれだけの覚悟があるかどうかと小説を読んだ後、考えさせられました。戦争は風化すればするほど再発するものと思います。同じ過ちを繰り返さないためにも過去を少しでも回帰させるような工夫は必要でしょう。

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 四日市駅伝 2014 | TOP | 生命と記憶のパラドクス »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | Books