すでに米国、韓国で導入されてきた5G通信。いよいよ来年にも日本にやってくる予定です。4Gよりも通信速度は100倍、通信容量は1000倍、同時接続端末数は100倍、遅延は10分の1と、大きな通信機能・性能の向上が見込まれているわけですが単にスピードが速くなるだけということではなく、5Gで何ができるのか?生活がどのように変わるのか? というのがもっとも重要なポイント。この本は通信技術の具体的な変更点にとどまらずどのようなことが可能になる見込みなのか?というのに主眼を置いて書かれたものです。
そもそもの通信技術で高速になる仕組みは基本的には周波数があります。4Gまでの3.5GHzに対して単純に減衰なく高周波数が使える技術~28GHzが発展したことがあります。さらにC/U分離と言われる制御系=C、データ転送系=Uの帯域で使う通信をごちゃまぜにせず、通信の種類ごとに交通整理をして伝送する技術を基地局の側(Edge)でサーバーを用意して実現できる見込みが立ってきたと言うのもあり、さらに同時接続を可能にするために端末と基地局間での通信許可を与える制御系通信を無しとする=グラントフリーというのも技術の一角です。
じゃあ何ができるの?ということですがどっちかというと個人的なモノよりも産業含めたインパクトのほうが大きいかもしれません。
・動画でのAR/VR及びマルチアングル配信
・自動運転向けのインフラ、安全技術の付与
・運転者特性連動型の自動車保険
・遠隔治療、手術
・キャッシュレス決済(レジそのものが不要)
・デジタルサイネージの個人連動
・スマートフォン=>ウエラブル端末への移行
・ローカル5G を活用した工場での装置連携
・セキュリティでの認証、リアルタイムでの行動解析、警備の効率化
・通信を使ったインフラ関連のサービスのスマート化
ビジネスモデル自体も従来のB2X(XはB=会社、C=消費者)からB2BXに移行するとの予測で通信業者とサービスの享受者のあいだにはセンターBと呼ばれるサービス提供者(5G活用した自動運転のMaaS事業者や工場やセキュリティのスマート化を生業とする事業者が出てくるとの予想)が現れそこに対するサービスの提供が通信業者の仕事になるとの予想です。
半導体分野でいえば通信が高速になればEdgeのデバイスというのは高性能である必要性は薄れていく可能性があるのでスマートフォンのこれからに期待はそこまでできなさそうです。ですが前述のようにEdge側でのサーバーでのAI処理を行っていく必要性が増えるのでその分野は伸びそう(AI処理向けチップとメモリ)というのとよりEdge側ではセンサーを活用してデータ取る必要が出てくるのでその分野。 スマートフォンに+して伸びるウエラブル端末がさらに出てくるか否か(腕時計型端末のさらなる進化がある?)といったところにはなりそうです。
来年にサービス開始したとしてもフルに通信速度を享受できるのはまだまだ先になりそうですが個人的には新たな半導体需要を呼び起こす機会を期待したいところです。
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