日本が売られる (幻冬舎新書) | |
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幻冬舎 |
日本が売られる 堤 未果 (著)
民営化、規制緩和、自由競争、生産性改善と聞いてしまうと非常に良いイメージしか持ちませんがその背景には逆にそれを利用しようと考えている人間がいるからこそ。水と安全はタダ同然、医療と介護は世界でも誇れる内容と思っていたのはもう過去の話になるかもしれないという事実を明らかにしてくれる本です。法律が次々と変えられ、水や米、海や森や農地、国民皆保険に公教育に食の安全に個人情報といったところに外資が入り始め、切り売りされているというのがここ何年かの事実。世界の兆候として行き過ぎたグローバリズムを見直し、自国保護に向かおうとしている中流も見られますがここ日本ではどっちかというと政治的にも反グローバルで右派というポジションでの政党、人が居ないのでこういった流れは中々広がらなさそう。もともと日本はいまいち主体性に欠ける部分もあるので気づいたころにはどこかで飲み込まれているのが関の山なのかと思われます。ただそれでも自由貿易、規制緩和なのかという流れがある中、この本の内容は多くの人に理解してもらった方が良いと感じます。こういった動きに対する抵抗はすでに各国で広がろうとしています。この本の最後の方に出てくるスペインの市民の声:「私たちは何もかも経済という物差しでしか物事を判断しなくなっていた。だから与えられているサービスに対して消費者に成り下がって自分たちのむ社会に責任を持ってかかわるべき市民であることを忘れてしまったのです」というのがありましたが確かに主体的なかかわりというのがなぜか低いのが事実。ここまでの結果を踏まえ本当に未来にどんな選択肢を取り入れるのか改めて自分たちに問いかけられているように思います。むしろチャンスを与えてくれるのかもしれませんが。
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