小澤征爾さんと、音楽について話をする(新潮文庫) 小澤征爾 (著), 村上春樹 (著)
小澤征爾さんと村上春樹さんという接点がなさそうに見えたお二人の1年間にわたる対談をまとめた内容。実は自らを素人と言いながらも村上春樹さんは相当の音楽マニアで音楽の素養の無い自分にとっては音楽に関してはほぼ対等に会話しているように感じられる内容でした。村上さんの序文に記されているようにお二人には共通性があるとのことで
・無類の仕事好きで仕事をしているのが幸せ
・ハングリー精神を持ち続けている
・とにかく頑固で作品を追求する
とのことでそれぞれの分野は違えど共通の匂い、波長を感じ取っているからこそこのような対談も可能になったのかと思いました。(つながりは小澤さんの娘と村上さんの妻が仲が良いというところにあったようですが)
これは創造的な仕事をしている人にとっては当然なのかもしれませんがかといってエゴというようには感じられないのは仕事に向き合う姿勢の真摯さにあるのかと思います。 村上さんが素人マニアと言いながら相当に音楽に詳しいのには驚かされましたが文章も音楽のようにリズムが重要だと考えているとのことを小説内にも記していてで何かしら作品づくりにも生かされているのかとは思います。ということで音楽の話はさっぱりでしたが仕事に向き合う姿勢という観点で非常に感銘を受けた1冊でした。
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