Takekida's log

千里の道も一歩から

急に売れ始めるにはワケがある

2008-08-31 20:19:04 | Books
すばらしい天気の中、最後の調整練習。
急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1) (SB文庫 ク 2-1)
マルコム・グラッドウェル
ソフトバンククリエイティブ

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流行するものというのにはあるきっかけ(臨界点:The Tipping Point)が必要だといいます。
もちろん正攻法で大きなお金を動かすことにより成功する場合もありますが必ずしもそうでない場合も多いのも事実。どのような条件でヒットが形成されるのかを分析したのがこの本です。

例としてNY市の犯罪対策、AirWalk、ハッシュパピー、アメリカ独立革命などが取り上げられています。

◆爆発的感染の3原則

 1.少数者の法則

爆発的な感染が成功するためには感染の伝道師となる3つの役割を果たす人間がキーになる。その役割を果たす人間はそれぞれコネクター(媒介者)、メイブン(通人)、セールスマンと呼ばれる。

コネクター:交際範囲が非常に広く人間関係がその人を中心として成り立っている。好奇心や自信、社交性、エネルギーの複合的関数の要素で構成される。口コミでの感染はこういった人の役割に負うものが多い。 自分の近くの人間で言うとMizukiさんとTakeoさんでしょうか。

メイブン:情報の専門家であるだけでなく情報の提供者である人。大多数の消費者や市民は実際、苦情だとか陳情といった行動に出ることはほとんど無いが一部のグループがこういった行動に出ることで市場が適切に保たれる。(マーケットメイブンといわれる) 他人の問題を解決することによって自分の必要性を満たしているのだが決して強要はしない。

セールスマン:説得する技術を持った人間。相手の動作に同調したり感情や気分を上手に表現できるので他人よりも感情伝染力がある。ある意味カリスマ性に近い。

これらの能力を全て兼ね備えている人も時たま存在する。

2.粘りの力

受け取る側の反応を高めるための努力を惜しまず投入する。ひたすらアピールを繰り返す。市場でのテストを重ねる。広告に検証を織り交ぜるなど情報が引き立てるような工夫を加える。セサミストリートでは粘り強く子供たちの注意が長続きする方へと番組が改良された。

3.背景の力

感染は起こる場所の条件と状態に敏感に反応する。NYの犯罪を減らすために「割れ窓理論」にしたがって地下鉄の落書きを消したり割れた窓をひたすら直したり無賃乗車を取り締まったことは有名。
性格も環境によって変化することが報告されているが人間は根本的な性格評価を過大評価して環境や背景の重要性を過小評価する傾向にある。

◆150の法則
 小規模で緊密なグループにはあるメッセージや発想が感染する潜在的能力が存在する。人間が真正な人間関係を営める集団の規模は脳全体に占める大脳新皮質の割合から導き出せることが出来て150人程度までである。(現存する狩猟採集社会の集団数もほぼ150人に近いという報告もあり) 集団で一つの目的に向かおうとする際は150人以下に人数を減らした方がよい。Gore-Texなどの機能Fabricを製造するGoreアソシエイツでも工場ごとに150の法則を守り続けてきている。


ヒットを生み出す人はただ自分が正しいと思ったことをするのでなく、よく考えて(分析して)から直感を試しているとのこと(当たり前か…)。一歩踏み出す前にTheTippingPointに相容れる条件を持っているのかどうか立ち止まってみる必要があると思います。

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