Takekida's log

千里の道も一歩から

第4の消費

2012-07-14 22:04:11 | Books
湿気が強く日本の夏らしくなってきました。今週末はセールが本格的にスタートしたため栄を中心に街中が賑わってます。
沖縄、壺屋の育陶園で作ったシーサー1体が届きました。
口を閉じているので女の子。いつになるか分かりませんが次回行った時に男の子の方を作ります。

第四の消費 つながりを生み出す社会へ (朝日新書)
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

伝説のマーケティング雑誌「アクロス」の編集から30年間一貫してマーケティングに関わってきた三浦さんの消費に関する分析本。三浦さんといえばあの「下流社会」が有名ですがこの消費本の方がまさに本業といったところでしょうか。巻末には消費社会160年表までついていてまさに保存版。戦後の社会を生きてきた団塊世代の皆さんは消費生活を振り返った1,2章は懐かしさを感じる内容です。筆者がこの本で伝えたいのは消費が個人の単位となり始めた第3の消費の時代から人口の減少が始まり、非正規雇用者が増えた2005年付近を境に第4の消費の時代に移行し始めたということ。
具体的に1~3の消費の時代は
・第一の消費時代(1912-1941)大都市における大衆消費社会、大量生産の始まり 東芝の前身のひとつである東京電気がマツダランプを発売したのもこの時期
・第二の消費時代(1945-1974)言わずと知れた戦後の高度成長期。中流層が大幅に拡大し消費格差が縮まった一方、画一的な消費が進んだ時代。消費単位は親2人と子供の核家族。
・第三の消費時代(1975-2004)オイルショック後の低成長期。産業としても軽薄短小にシフトしたことに加え消費の単位が個人化したのが特徴。
で第4の消費社会というのはなんなのかというと第三の低成長期に加え震災、雇用の不安定化によって生まれてきた「人と人とのつながり」 を重視する消費生活時代の始まりという点です。
具体的にはシェア志向、社会重視、ノンブランド&シンプル志向、カジュアル&エコ志向、日本&地方志向といった点。ただ勘違いしてはいけないのが全てが移行するというわけではなく今の消費にはマジョリティではないものの1~4までのスタイルが内包されており、その中でこのような志向が立ち上がってきたという点です。
おもえばカーシェアリング、シェアハウス、レンタル家具の台頭。ボランティア旅行の盛り上がり。インターネットを利用したファンドなど自分が気づくだけでも既にその兆候は現れ始めています。ではなぜこういう風な変化になってきたのか?
もちろん震災や非正規雇用の増加といった背景もあるわけですがそれだけでは無いのかと思います。
自分も広義な団塊ジュニア世代であり、決して有り余るほど裕福ではなかったにせよ消費財や食べ物には大きな苦労はありませんでした。であるからこそ大人になって反動的に消費に向かうのではなく、より心の充足の得られる方向性に向かったのかと。 消費という面で言えばこういった変化はネガティブに捉えられることもありますが人口が減少しつつある今、こういった変化は逆に社会としての成熟度が少しづつ高まっていることの証明なのかもしれません。
いづれにせよいつかは自分達の子供の世代が第5の消費時代を作るはず。第4の消費時代で育った子供達がどのような未来を作るのか見守って行きたいと思います。
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2 Comments

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シーサー (まっつん)
2012-07-15 13:45:47
シーサー、上手ですね!三味線といい、文化的活動が冴え渡っていますね。

 研究室の同期とこの土日で会ってきたのですが、家庭をもった同期は「金は大事だけど、なんか大事なものはお金ではないような気がしてきた」と発言。子供が無事に育ってくれればそれだけで充分幸福感は感じられるものかもしれない、と独り身の私は感じました。
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Unknown (たけきだ)
2012-07-15 22:19:50
ありがとうございます。指導どおりにやるだけでそれなりに仕上がりました。沖縄だと色んなところで体験教室みたいなのがあるのでお勧めです。行った際は是非。

確かにバックグラウンドとして持つものが変わると考え方は変わるように思います。自分は社会人になったときもひとつの転機になりました。自分のお金だから使うというより稼いだお金だから大切にするというように…
まあ年月や社会情勢にも鋭意供されるのかもしれませんが生きたお金の使い方は出来るようにしたいと思います。
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