HT-1A 7/14MHz CWトランシーバーキットの製作
CQ誌4月号の記事とタイトルも同じになってしまいましたが、まさに今回はJL1KRA中島OMの書かれた記事を見て私も久しぶりでトランシーバーの製作にあこがれ、キットを買ってしまい、一部改良した(改悪?)部分も含めてまとめてみようと思いました。
中島OMのサイトに詳しい説明があるので購入前には一読されることをお勧めします。
まず受け取ったキットの部品は机の上で部品表と一つ一つ部品使用と個数を確認します。
部品点数について確認出来たら基板をチェックします。
私ははんだ付け部分の確認を兼ねてハンダ部分のフラックスの掃除も行っています。組み立てが最近はいろんな所でされている為に、はんだ付け後の後のフラックス清浄工程が十分に行われていないことがあり、または後で追加的なはんだ付けしたところの多くにフラックスを残したままになっていることがあるので、後々の不明な故障モードを少なくするためにも溶剤を使って洗浄するときれいに仕上がります。
私の場合、基板のはんだ状態をチェックしていたらL9コイルがパッドからはがれていて連絡したらすぐに代替え基板が送られていました。
今回は、おかげで基板上のコイルが片側はがれているのを見つけることができ、作業にかかる前に基板を交換していただきました。
Webより入手した全体の系統図は
ここでは、送信部はAD9834を使ったDDSをPIC 16F884で制御して直接送信周波数を発信させています。そのご、バッファを2段経てドライブ、ファイナル段に行き、LPFをへて送信されています。 これならLPFとPICのプログラムを変更するだけで他のバンドの追加も可能なような感じです。
後で確認したのですが、メイン基板のBPFを形成するL8とL9はともに2.2μHだそうです。私の場合はL9が取れていたので気が付いたわけです。
参考までにWebから入手したメイン基板の回路図と表示部基板の回路図を上げておきます。
基板の加工についてはJL1KRA中島OMのWebで確認してください。 以下にはその他の追加加工について述べます。
メイン基板と
ディスプレイ基板の回路図です。
電池ホルダーの加工
基板が到着するまでの間に電池ホルダーの加工にかかりました。
この電池ホルダー基盤はスピーカーを鳴らすアンプ回路が含まれており、片側に寄せて回路設計されているので使えそうでした。
空いている部分はブランク基板になっており穴をあけても大丈夫のようでした。
購入した電池はLiイオン電池18150と呼ばれているもので、Webにある組み立ての様子は写真のように示されていた。
これだと蓋の上部に取付け穴をあけて固定するか、または両面テープで固定する方法しか思いつかなかった。前者だとせっかくきれいなケースの見栄えが悪くなり、後者だと長期の使用中に電池の脱落が少し心配になった。
そこで、このスピーカー用AF増幅基板上につかないかいろいろ位置を確認したら何とかぎりぎりで載せられそうだという事がわかった。
電源制御基板はVFOつまみの後ろで電池ホルダーに張り付けました。
組み立て中にしばしば電池を入れたり出したりすることがあり、その際この電池は通常の乾電池のような陽極の出っ張りがないので、入れ間違いによる事故を最小限にするために+記号にマジックペンでマークを書いて判別しやすくしています。
また、既存の取り付け位置がかからないように固定したが一つは電池ケースの中にするしかなかったので穴に当たる部分の」電池ケースを少し削って固定できるようにしました。
それぞれのバッテリーケースはケースにある取付け穴位置で基板にM3ネジで固定しました。
AF増幅部の入力部はケーブルを直接はんだ付けするようになっていたが入れたり出したりしているうちにケーブルの一本が切れたために最終的には手持ちの3Pコネクターに取り替えた。
スピーカーの固定法
さらにスピーカーが固定されていなかったのでケースの背面に固定することを計画しました。
スピーカーを取り付ける治具として20mm幅の2mm厚アルミ平板の切れ端を用いました。
2tのアルミ板はM3のタップをたてて直接10mmのM3ネジで止められるようにしました。中心をずらしてスピーカーのリードが互いにショートしないようにしました。 安心のために絶縁テープの保護も忘れませんでした。
取り付けた様子です。
黒い絶縁テープで万一の位置ずれによるショートを防止しています。
特性の確認
自作で組み立てたデジタルSWR・QRPパワー計で測定した。せつぞく測定したら5.2Wと7MHz帯も14MHz帯も5Wの出力が得られました。
ここで使用したダミーロードは自作のチップ抵抗を用いて組み立てたものです。以前のブログにも挙げてありますので参照ください。
https://blog.goo.ne.jp/iau9229/e/4a3825cb4564c4d0f7eb8bbc1143ff61
また、QRP電力計はJL1VNQさんが領布されているQPM-01キットです。紹介はこちらを参照ください。
また、GigaSt v5_vで計測した波形では
読者の方のご指摘により、訂正します。前回ここに提示していた図はRBW180kHzで測定していたもので、波形を見るには不適当でした。今回はこのDigaStで最高の解像度である15kHzで計測してみた図に差し替えました。本当はもっと解像度が上がる計測が必要なのですが手元にはこれ以上の計測はできませんでした。
これからもこんなキットが販売されるといいなと思いました。
昨年のHAMフェアーでのプレゼンには”TSS・JARDの保証認定通ります”と明記されていましたので私も出してみようと思います。
私はまだ手打ちのCWは交信経験がないのでDigitalsound CWとの接続方法を早く開発して出たいと思います。それまでにJARDかTSSの認定を取らねば・・・
以上
2020March、改訂2020April
TX~ダミーロード間は最小限のコネクターで接続し、高周波的に密閉構造のダミーロードで容量結合して測定されると、さらに良好な波形観測が可能と思います。
ここまで立派な試作・データでしたら本来はピーンと一本棒になってもおかしくないはずです、さらに素晴らしい結果に期待しての辛口批判はご容赦ください。
浦島太郎化した若輩者からの質問にも即座の回答と原因追及、差し替えとWEB上の表現者の鑑と感じます。この波形図でしたら十分に説得力を持つと思われます。もっとも問題となります近接スプリアスは見られなく、実用十分ではないでしょうか。
欲を言わせていただけるなら、さらに周波数スパンを広げて高調波(あるとすれば)も含むグラフが見たく思います。
私は松田OMの奮起に触発されたいと願い続けます。
受信動作がどんな感じか触ってみたいです。
スペアナの波形グラフですが、チラ見では
出力波形の帯域が500キロヘルツほどあるように見えるのはなぜでしょうか?