一錦金鋒の読書防備録と生活奮闘記

読んだ本の紹介、感想。たまに日常に起こったことの記録

柳川範之著 東大教授が教える 独学勉強法

2021-03-06 17:57:51 | 書籍
本を読む目的
資格試験や仕事の勉強が増え、勉強方法の模索。
特に独学が多いので、本を手に取ってみた。

概要
著者は慶応義塾大学の通信制を卒業。また、高校は行っておらず独学で大検に合格した強者であった。
慶應の通信は、かなり卒業が難しいのを以前調べた経験があるので、それなりの人物なのは把握できる。


どんな内容か?
独学の心構えや方法が書かれていた。

・良本と言われていても、自分には合わないこともある。自分のタイプや個性に応じて、自分のペースで学んでいくことが大切。
→確かにそうだ。分かっていそうで分かっていなかった一言であった。

・独学は、新しい未来の扉を開いてくれるカギ。(進路変更・転職・生き方を変える等)

・独学を推しているからといって、人に教わらないということではない。大事なことは自分で考えて自分で学ぶ姿勢。

・今はその場でネット検索が出来る。情報量の多さでは優位に立つことは出来ない。
→情報化社会が「情報の入手法」から「情報の活用方法」に変わったということと思われる。

・勉強の本質は考えること。人生で選択を迫られたときに、どう判断すれば良いか、深く考えることの重要性が高まっている。
→なるほどと思った一言。一見簡単なようで、とても深い言葉と感じた。

・理論が分かっているのといないのとでは、同じ新聞から入手した情報の扱い方が違ってくる。
→技術系の仕事をしていると、思い知らされることである。

・「答えの無い問い」を恐れない。それを勉強することが大切。(自分で正解を生み出す)
→今まで、そういった経験はなかなか無かった。これからは「意識して」行動する必要がある。

・応用力、独走力が無いとコンピュータに取って変わられてしまう。

・独学は、試行錯誤の繰り返し。自分の頭で考えて判断する。周りに左右されない生き方が身に付く。
→これは大切。

・答えの無い問に自分なりの答えを見つける勉強法。論文など、自分のゴールを設定して勉強する。能動的に深い勉強が可能。
→やはり勉強は能動的が大切ということ。東大に関する書物には必ず書いてある。

・本を一冊読んだだけで「分からない」「向かない」と思わず別の本を探す。自身をなくす必要はない。自分の理解のパターンに合う本を探す。理解できない時には本をどんどん変えて「こういう説明をされると納得できる」ところまで持って行く。

・完璧主義にならず、道が無かったら臨機応変に。初志貫徹しようとし過ぎない。
→ちょっとだけつまづいて辞めてしまうことを防ぐには良いと思う。たまには手を抜いて、たまにはさぼるのも大切かも?


・いきなり勉強してはいけない。どんな学びのスタイルが向いているのかを探す。勉強のコツをつかむことに重点を置いてみる。

・良本とはいえ、自分の考え方やクセに合わない本を読んで自信を失わないように注意。自分のあたまのクセを見極める。

・なんでも疑ってかかるクセをつける。本に書いてあることを鵜呑みにしない。「自分がどう思うか、どう考えるか」が大切。
→これはクセを治す必要があると思った。確かに書いてあること、聞いたことを鵜呑みにするクセが自分にはある。

・疑って、勉強のテーマを探す。「なぜ1+1=2」なのかを真剣に考える。
→結局、これが出来るのが東大生なのであろう。

・何が分かっていないか、何を解決できていないかを把握しながら勉強する。
→納得の一言。自分の弱点探しになるし、勉強の要所が分かる。

・自分がワクワクする分野で、将来的に役に立ちそうなテーマを探す。「仕事に結びつけば良いな」という程度でかまえる。自分がどういう人生を歩みたいのかをイメージする。
→あまり肩に力を入れないようにしよう。

・とっかかりの入門書は3冊用意する。3冊ともダメなら別の書を探す。ケチらない。本の値段より、合わない本を使う方が時間の無駄になる。

・本を読む前に、自分が何を得たいのか、どんな目的で本を読むのかを考える。
→確かに、同じ本を読むのでも人によって目的が違う。

・疑問を持ちながら批判的に本を読む。(2回目以降が良い)まず、読者の立場で「こういうときはどうなんでしょうか?」と問う。次に著者の立場になって「こういうときは、こうだから・・・」と答えを出す。そうして自分の中で問いと答えを繰り返す。自分の問いに自分で答えてこそ、「自分なりに考える」といえる。

・専門書を、関心を持っている部分だけ読む。ただし、その分野の全体像はなんとなく把握しておくと良い。

・専門書を読むレベルになったら、著者とケンカするつもりで本を読む。書かれていることを疑うことが大切。
→このレベルまで行くのにどれだけかかるか不安だが・・・・・。

・自分は分かっていないという感覚が大切。それでがっかりする必要はない。基礎に戻って繰り返す。
→「基本が大事」はどこも一緒ということか!

・文章は、知らない人が理解できるレベルまで「優しく書く」
→これが出来るようになるまで深く掘り下げる必要があるということであろう。



感想
著者は大検から通信制大学を卒業し、東大の教授になった人。
ネットの無い時代に、海外から日本の通信大学を受講していたのだから大変だったであろう。
ノウハウが詰まっていたと同時に、これまで読んだ東大生の勉強法と照合しても、共通点が多い。
良い復習にもなったし、やはり大切なのだという実感にもなった。