伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

やはりこのマンションにはトイレがなかった!40年後の真実

2009-08-19 07:40:04 | プルサーマル/MOX燃料
 使用済みMOX燃料の行き場がない問題についての論説?を掲載しておきます。

「阿部悦子と市民の広場会員通信」09年8月号に掲載していただきました。

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やはりこのマンションにはトイレがなかった!40年後の真実

-使用済みMOX燃料は永久に伊方(愛媛)に留め置かれる懸念-

伊方No Plu田丸

「トイレなきマンション」

 原発のゴミ(放射性廃棄物)の安全な処分法はない、原発はトイレなきマンションだ、と反対派から指摘され続けて数十年。しかし現在は青森・六ヶ所村の「再処理」工場で(各種の放射性廃棄物に分離)再処理をするという名目で、原発の使用済み燃料は伊方から持ち出され、フランスと青森で保管され続けている。

「死の灰」行き先なし

 ところが、伊方で半年後に始まろうとしているプルサーマル運転で、3年後に出来上がる「使用済みMOX燃料」は、六ヶ所村の再処理工場では再処理できず、他の土地に持ち出す口実がなくなるため行き先がない、という問題が再燃している。

 いま国と県は、開始後の2010年頃から検討を始めるからいいのだ、と答えているが、数年前までは2010年には方策が決まっているハズだったのだ。問題は先送りし、計画だけは昔の線引きに固執するからおかしなことになる。この6月には電気事業連合会が電力各社のプルサーマル推進計画を5年間延期し、四国電力を含む先行3社以外は2010年までに導入との目標をすでにあきらめた。

フランスでは

 さて、このプルサーマル運転を先行実施しているフランスでは、実は使用済みMOX燃料は100年間冷却貯蔵をした後で、処分方法を決めることになっている。なぜなら、地下深くに直接処分をすると今日決めたとしても、どのみち100年以上地上で冷却を続けないと直接処分には移れないからだ。

少なくとも35年間、そして永久に・・・

 再処理工場で出来る高レベル放射性廃棄物もウン十年間は地上で(六ヶ所村で)保管されてから深い地下に処分する予定(候補地はまだない)なのと同様な話、と思われるかもしれないが、これから35年間の「当面の間」は、使用済みMOX燃料は伊方の敷地内に置かれることになる。(県は「長期に置かないよう」国に申し入れてはいるものの、県の求める「長期」とは何年間なのか、について考えていない!のだ)

 というのも、いまの国の計画の一つでは、2045年頃から運転する(どこか?の)第二再処理工場で使用済みMOX燃料を再処理することを前提にしている。

核燃料サイクル失敗つづき

 ところが、その雲行きも怪しくなってきた。 一つには、六ヶ所村の再処理工場の高レベル放射性廃棄物を詰めるガラス固化装置が故障続きで運転開始が遅れており、技術トラブルの対応には3年ほども掛かると言われている。

 更に2050年頃のプルトニウムの用途の本命であった高速増殖炉の研究開発も、実験炉もんじゅの運転再開が2年間遅れのため、第二再処理工場の予備検討も2年遅れとなっている。

 「来年のことを言えば鬼が笑う」けれど、四国電力など3社だけがプルサーマルを強行するなら、まともに動かない第二再処理工場のお客様(カモ)はその3社だけカモね!      

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