この4月26日で旧ソ連のチェルノブイリ原発事故から20年になります。
もうそんなに月日も経ちましたか。
NHKさんでは、今晩から来週末に掛けて
◆NHK 「汚された大地で~チェルノブイリ 20年後の真実~(仮) 」
4月16日(日)GTV 21:00~21:49
http://www.nhk.or.jp/special/onair/060416.html
◆NHK「チェルノブイリ・20年目の歌声」
4月22日(土) BS1 22:10~23:00
の特集番組があります。
他の民放各局ではなかなか報道特集などは組みにくいことと思います。
電力会社がニュース番組のスポンサーになっているのは、こういう時のためでもありますから。
チェルノブイリ原発の犠牲(死亡)者について
さて、チェルノブイリ原発事故で一体被害者がどの程度になるのか、についての記事がいくつか出てきています。
とは言っても一回の原発事故で広がった放射能汚染の結果の被害は、事故当時に被曝した人への急性の影響ばかりではありません。
そして、一番件数の多い人体への影響があるとみなされているのが、発ガンの原因の一つになることです。
ガンは遺伝子の変異に伴う病気ですので、発病までに一定の期間が掛かりますし、長年経てば立つほど発生頻度は大きくなります。つまり一旦被曝した人にとっては(他の原因で亡くなるまでの)一生涯、発ガンのリスクは大きいままです。
原発事故の恐ろしさは、一旦環境にひろがった放射性物質が、さまざまな経路を通じて循環し人間の体の中へ入ってくるその広がりにこそあります。
ですから今日や明日になって、当時放出された放射能のせいで新たに発ガンのリスクが増える人、というのもいるわけです。
今回の評価はいずれも、将来の予測される死者も含めたものです。
1.IAEA(国際原子力機関)とWHO(世界保健機関)他の団体が作っているチェルノブイリ・フォーラムは、昨年秋に、死者4000人というこれまでの報道とは桁違いに少ない死者の推計を発表しています。
2.WHOでは、一昨日、犠牲者の数を将来も含めて9000人と推定した別の報告をだしています。
NHK:原発事故 死者9000人に
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/04/15/d20060415000039.html
四国新聞:原発事故の死者9000人も/チェルノブイリでWHO
http://www.shikoku-np.co.jp/news/kyodonews.aspx?id=20060414000251
1.との数字の違いは、原発のあったベラルーシと隣のロシア、ウクライナの計3カ国以外の被曝者を含めるか含めないかの違いだったようで、3カ国以外では統計的に5000人が死者になると推計し計上したものです。
3.New Scientist誌にこれらに対する反論が掲載されていました。
How many more lives will Chernobyl claim?
http://www.newscientisttech.com/channel/tech/nuclear/mg19025464.400-how-many-more-lives-will-chernobyl-claim.html
”THE cloud of radiation spewed out by the world's worst nuclear accident at Chernobyl 20 years ago could kill up to 60,000 people - 15 times as many as officially estimated.”
英国の放射線科学者2名は、欧州議会の緑のグループのために作った評価報告書の中で、被害者の数は3万人~6万人の範囲であり、IAEAとWHOは意図的に15分の1にも過少に表示していると非難しているとのことです。
また記事の中では、3国の中で微量汚染を受けた結果亡くなると想定される5000名については、昨年秋のレポートが政治的なコミュニケーションのための文書であったことから除外していたことをWHOの科学者が認めた、とも言及しています。
死者4000人/9000人/14000人/3~6万人
というのは論議を呼ぶかもしれませんが、産業公害のジャンルの出来事としてはやはり最悪のものと呼ぶべきでしょう。このような数字の記録にまで政治的要因が入り込むのも、公害の一種とみれば当たり前のことなのでしょう。
またこの数字は死者ですから、死亡の直接の原因がそのガンではない人や、ガンにはなったけれども生存している人のことを考えると死者のさらに数倍の人が健康被害に遭っていることになります。
PS
JanJanより 矮小評価と「幕引き」への抵抗:チェルノブイリ事故20年
の記事がありました。
NHKの番組は深く染み入りました。幕引きというより、これからガンなどは増加し続けるものですので、むしろ幕開けといった方が良いでしょう。
もうそんなに月日も経ちましたか。
NHKさんでは、今晩から来週末に掛けて
◆NHK 「汚された大地で~チェルノブイリ 20年後の真実~(仮) 」
4月16日(日)GTV 21:00~21:49
http://www.nhk.or.jp/special/onair/060416.html
◆NHK「チェルノブイリ・20年目の歌声」
4月22日(土) BS1 22:10~23:00
の特集番組があります。
他の民放各局ではなかなか報道特集などは組みにくいことと思います。
電力会社がニュース番組のスポンサーになっているのは、こういう時のためでもありますから。
チェルノブイリ原発の犠牲(死亡)者について
さて、チェルノブイリ原発事故で一体被害者がどの程度になるのか、についての記事がいくつか出てきています。
とは言っても一回の原発事故で広がった放射能汚染の結果の被害は、事故当時に被曝した人への急性の影響ばかりではありません。
そして、一番件数の多い人体への影響があるとみなされているのが、発ガンの原因の一つになることです。
ガンは遺伝子の変異に伴う病気ですので、発病までに一定の期間が掛かりますし、長年経てば立つほど発生頻度は大きくなります。つまり一旦被曝した人にとっては(他の原因で亡くなるまでの)一生涯、発ガンのリスクは大きいままです。
原発事故の恐ろしさは、一旦環境にひろがった放射性物質が、さまざまな経路を通じて循環し人間の体の中へ入ってくるその広がりにこそあります。
ですから今日や明日になって、当時放出された放射能のせいで新たに発ガンのリスクが増える人、というのもいるわけです。
今回の評価はいずれも、将来の予測される死者も含めたものです。
1.IAEA(国際原子力機関)とWHO(世界保健機関)他の団体が作っているチェルノブイリ・フォーラムは、昨年秋に、死者4000人というこれまでの報道とは桁違いに少ない死者の推計を発表しています。
2.WHOでは、一昨日、犠牲者の数を将来も含めて9000人と推定した別の報告をだしています。
NHK:原発事故 死者9000人に
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/04/15/d20060415000039.html
四国新聞:原発事故の死者9000人も/チェルノブイリでWHO
http://www.shikoku-np.co.jp/news/kyodonews.aspx?id=20060414000251
1.との数字の違いは、原発のあったベラルーシと隣のロシア、ウクライナの計3カ国以外の被曝者を含めるか含めないかの違いだったようで、3カ国以外では統計的に5000人が死者になると推計し計上したものです。
3.New Scientist誌にこれらに対する反論が掲載されていました。
How many more lives will Chernobyl claim?
http://www.newscientisttech.com/channel/tech/nuclear/mg19025464.400-how-many-more-lives-will-chernobyl-claim.html
”THE cloud of radiation spewed out by the world's worst nuclear accident at Chernobyl 20 years ago could kill up to 60,000 people - 15 times as many as officially estimated.”
英国の放射線科学者2名は、欧州議会の緑のグループのために作った評価報告書の中で、被害者の数は3万人~6万人の範囲であり、IAEAとWHOは意図的に15分の1にも過少に表示していると非難しているとのことです。
また記事の中では、3国の中で微量汚染を受けた結果亡くなると想定される5000名については、昨年秋のレポートが政治的なコミュニケーションのための文書であったことから除外していたことをWHOの科学者が認めた、とも言及しています。
死者4000人/9000人/14000人/3~6万人
というのは論議を呼ぶかもしれませんが、産業公害のジャンルの出来事としてはやはり最悪のものと呼ぶべきでしょう。このような数字の記録にまで政治的要因が入り込むのも、公害の一種とみれば当たり前のことなのでしょう。
またこの数字は死者ですから、死亡の直接の原因がそのガンではない人や、ガンにはなったけれども生存している人のことを考えると死者のさらに数倍の人が健康被害に遭っていることになります。
PS
JanJanより 矮小評価と「幕引き」への抵抗:チェルノブイリ事故20年
の記事がありました。
NHKの番組は深く染み入りました。幕引きというより、これからガンなどは増加し続けるものですので、むしろ幕開けといった方が良いでしょう。
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