「論点整理」伊方原発ここが危ない⑤ (初出:2013-10-24 04:46:39 )
中央構造線沿いの四電高圧送電網は多重防護と言えず
(この図は四電が規制委に提出した審査用資料より(赤字の「中央構造線活断層帯」の字と「横一本の線」だけは筆者が注意深くこのあたりだろう、と書き加えました)。実際に伊方−大洲までの3系統の送電線が「多重防護」になっているかどうかを審査していますが、そこから遠い所の問題は「想定外」となっています。)
フクシマの例:全交流電源喪失(SBO)の第一歩は、地震による受電鉄塔の地滑りによる倒壊や変電設備の破損でした。津波のせいというのではなく、この全交流電源喪失こそが、まさに福島原発メルトダウンの直接の原因でした。
・送電網が並列して3系統ある、といってもその全てが中央構造線活断層帯に並行して走っている、例えば中央構造線の西条から伊方沖までの130kmが一体となって動き、3系統の鉄塔や架線および変電所が同時に被災する場合を想定すべき。(10年に終了した3号機耐震性バックチェックの時点では、この130km一体の連動時評価を最重要機器については評価済み)
・外部電源の喪失の後、ディーゼル発電機の起動に失敗してSBOとなる確率は60%程度と高い(関西電力大飯原発の場合)。つまり電力網全体を守れないためSBOになるという、ブラックアウト由来のメルトダウンを想定すべき。
↓こちらは国土地理院の地図に、活断層マップを重ねた物。中央構造線活断層帯のありかが地図上で分かります。
http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/10_shikoku.html
川内変電所は、北方断層から1.5km位の距離にあり、
電源開発の西条変電所は、岡村断層が敷地内にあり、
そして、東予変電所(土居町)も、石鎚畑野断層が敷地内にあります。
四国電力の高圧送電網はこのような弱点を複数持っている脆弱なシステムだ、ということが明らかです。
追記:熊本地震後の、2016年6月23日に作成した、原発さよなら四国ネットワークの四国電力向け抗議文でも「1番目」の項目として、この内容を再度主張しました。 その趣旨を掲載。
1.熊本地震を受けた今日、伊方原発を再稼働しようとする意思を示す核燃料の装荷に対して強く抗議します
送受電用の四国の高圧送電網は中央構造線断層帯にそって配置されています。仮にこの断層帯全体が一度に動く想定をするなら、敷地の内外を活断層が通っている川内変電所と(電源開発の)西条変電所、東予変電所などで繋がれた送受電網全体は、中央構造線の地震に耐えられるはずがありません。
この、地震による長期間の外部電源喪失に始まるメルトダウンはまさにフクシマの二の舞です。しかし変電所の耐震性などは原子力規制委員会は「上流の話は経産省がやってくれ」と言って、審査していません。安全性が確保されていないのですから再稼働は中止すべきです。
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