2月12日夜に観音寺さんで行われた広瀬隆さん講演会(原発さよなら四国ネットワーク主催)と、翌晩に、緑の党グリーンズジャパンの年次総会懇親会の場で松本なみほ共同代表による電力自由化の解説とを続けて聞いたので、その感想と僕自身のポジションについて解説してみます。
・広瀬隆さんと菅元首相が昨年11月の懇談会で語っていた、脱原発における電力自由化と再生可能エネルギーについての位置づけの議論はこちらにまとめ(テープ起こし)がされています。
3「伊方原発と電力自由化」菅元首相&広瀬隆氏 対談(文字起こし みんな楽しくHappy♡がいい♪より
これを踏まえて話を聞くと良いのが、次の動画です。
・夜行バス乗り場へ急ぐ最中に寄った、広瀬さんの観音寺での講演はほんの数分間でしたから、後からYoutubeでまやさんが撮られた
2016 2 12広瀬隆ミニ講演会 観音寺
の動画を一読した程度です。
(全然話変わりますが、東京の一夜のネットカフェでは漫画『暗殺教室』を初めて全巻読みました。)
僕自身は地球温暖化脅威論者であることもあり、広瀬さんのIPCC陰謀論は単なるデマゴギー芸の話だ、と解っている一方、再生可能エネルギーのポテンシャルには大いに期待できること、ピークオイル論の危機感も絡めると電力自由化推進とこれ以上化石燃料に依存するのは破滅への道であり、近未来のピークオイル危機に対する反動としての原発への依存急拡大さえ引き起こしかねない非常に危うい路線だ、というようなまあ、広瀬さんとはまるで違う方向を向いています。
このへんの世の中の動向は、広瀬さんの話だけを何遍聞いててもとうてい解らないですよ、こちらピークオイル、地球温暖化、自然エネルギーその22の個別資料を全体としてご覧いただきたい、と僕としては答えるしかありません。
さはさりながら、広瀬さんの、「電力自由化とは、原発いらないの意思を示せる住民投票の仕組みなんだ」というメッセージは、まあ「単純さこそが力」というキャンペーンの基本講座に叶った、力のあるメッセージです。これを説く意味は、どんなに強調してもしすぎることはありません。
・さて、東京・品川で13,14日の2日間開かれた、今年の緑の党グリーンズジャパンの年次総会へは、四国ブロックの地域代表協議会委員2名のうちの1名として、全くできていない地域のメンバーとの話し込みをやらなきゃ、と尻を叩かれに行ったようなものでした。
電力自由化についてのキャンペーンをやらなきゃ、という趣旨もまあ昨年末のCOP21向け街宣キャンペーンに続いてタイムリーな動きであるようには思います。
そんな中で出てきた松本なみほさんのプレゼンは、ずいぶんとまあバラ色の電力自由化推進とはかけ離れた、苦衷のさまが現れたものだった、と思います。途中までは広瀬さんと同じ路線を描こうとしてて、問題点に呻吟してのことだったかもしれません。
そこで取り上げていた問題は、英国で電力自由化への対応として出てきている「原発FIT」の問題です。これを経産省が電力自由化の制度の中にねじ込んでいけば、結局はなぜか全く関係のない電力会社の料金の中で、原発のコストを負担せざるを得なくなる問題が厳しい、という趣旨で終わったかと思います。
・もう一つの論点としては、確か田中優さんのメルマガに出てきた、2020年までの期間限定、あるいは無制限の過去からのものではないということではありますが、託送料金の中に原発コストを込みにすることができる、という、今の自由化の限界を伝える記事がありました。これは松本さんのプレゼンでは触れていませんが、別の同種の問題です。
・電力自由化を単なる価格競争と薄利多売の追及に終わらせてしまうことは何よりも避けなければならないことです。
・原発単独の問題での投票する一回限りの機会として使うのもまた問題山積の中、無責任の誹りを免れないものかも知れません。
未来を形作る上で、オフグリッドといった、消費ボイコットに近い概念も含めて、最適なツールの使用法を議論していくべきところのような気がします。その際にはでも、前提条件と希望する、危惧する未来についての充分な理解がないと、そもそも議論の場に座ることもできないように思います。
その道筋も解らない崩壊途上の社会で、崩壊途上の電力網をどうすれば、一番リジリエントに保つことができるのか、という議論ができるようになるといいですねーー。
追記:緑の党グリーンズジャパンのキャンペーンサイトが出来ています。
4月の電力自由化に向けて、特設サイトがオープンしました。 http://www.gj-energy-policy.com
飯田哲也氏のビデオニュースでの論評
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