伊方原発3号機の原子炉設置変更許可等に係る知事記者発表7月23日
https://www.youtube.com/watch?v=hn2e0rLISow&list=TLGY_8NXMiHzMyNzA3MjAxNQ
を聞いていますと、廃炉研究の必要性を述べるくだりで、大型/加圧水型の廃炉の経験がないことから伊方原発での廃炉研究を国に求める下りがありました。6分50秒あたり。
「…また3つ目が伊方原発における廃炉技術の研究。これはじつは日本には東海(第一)の廃炉経験がありますがこれは極めて小型のガスタービンの廃炉でありまして、その他の原発に転用できる経験には繋がっていない。いま福島の方では廃炉が進んでおりますけれどもこれは全て沸騰水型の原発の廃炉であり、愛媛県の伊方の加圧水型の廃炉となりますと、全くやり方が変わってまいりますから、言わば経験もなくマニュアルもないということで、この点を強調させていただきました。」という発言でした。
以下ツッコミを。
・愛媛県の担当者は、すでに今年の3月に、全部で5基の廃炉が確定している(下記参考)こと、特に九電の玄海1号、関電の美浜1,2号は加圧水型で、本来伊方1号機も同時に廃炉発表があってしかるべき状況だった、ということを知事に是非ともお伝えいただきたい。
そもそも、すでに廃炉を決めた原発があるのだから、その実機において廃炉研究そのものが行われることは自明であり、まだ廃炉を表明していない伊方にへんなえこひいきをして廃炉研究支援のお金を下ろしてくることは考えられません。そんな支援はもし出るとすれば(川内の)再稼働一番乗りとなりそうな九電と佐賀県(玄海1号の立地県)にかっさらわれる、ということが中村知事には見えていないのでしょうか、ハア。
・ガスタービンというのは、まあ言い方はそれでも間違っていないかもしれませんが、火力発電のガスタービンと混同してそうですよね、通常はガス冷却炉と言います。
・フクシマの事故炉4基の廃炉作業は、他の沸騰水型原発の廃炉の前例には全くなりません。世界で一例だけの大難航作業だ、という事故処理の現況すら分かってないで、同じ廃炉という名前が付いているだけで、先例になるというお粗末な理解のようですね。
・沸騰水型についても、すでに浜岡の1,2号機は、311より前に廃炉が決まっています。福島第一の5,6号機もフクシマの廃炉作業の関係で、廃炉を決めてたハズ。(Wikipediaより 2012年4月20日、1 - 4号機が電気事業法上も廃止。2013年12月18日、5・6号機は震災当日定期点検中であり比較的被害が少なかったが、再稼働することなく廃止を決定。2014年1月31日、5・6号機が廃止される。)
廃炉が確定しているのは全部で13基、すでに廃炉作業中の東海第一を入れると14基ですね。
愛媛県知事がこのような背景となる原発各社の動向情報に疎いままで、中央政府との交渉役を気取っていることはかなり恥ずかしいですだよ~ん。県の担当者は、こういったあまりに恥ずかしい方針をもう出さないでほしいところです。
ん?それとも知事は、本心では伊方原発を再稼働させたくなくって、無理難題を押しつけてゼロ回答を受けて突っぱねたいのかな、まさかね~それなら再稼働とリンクさせた要求と明言すべきです。
【参考】
原発5基廃炉の裏で蠢く「倍返し」の新増設 東洋経済オンライン 2015年03月23日
”老朽化した原子力発電所5基の廃止措置(廃炉)が決まった。3月17日に関西電力が美浜1号機(運転開始1970年11月)と2号機(同1972年7月)、日本原子力発電が日本最古の敦賀1号機(同1970年3月)の廃炉を決定。翌18日には九州電力が玄海1号機(同1975年10月)、中国電力が島根1号機(同1974年3月)の廃炉を決めた。”
”これら1980年以前に運転を開始した原発は、新規制基準が要求する難燃性の電気ケーブルを使っていないなど、審査合格のハードルは低くないと見られる。”
伊方の1,2号機はそれぞれ77年、79年(ではなくて82年)の稼働なので、まさにこの電気ケーブルの難燃性問題が目前にぶら下がっています。中村県知事はまず、伊方1,2号機の廃炉を四国電力に求めてはいかが? 廃炉する予定がないのに廃炉研究を下ろして来て、とはよく言えたものです。(追記:失礼、年を間違えて覚えてました。2号機は難燃性の電気ケーブルかどうか、確かめます。)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます