伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

本「南海トラフ巨大地震 歴史・科学・社会」石橋克彦氏著

2014-06-05 10:23:10 | 原発震災関連


石橋克彦先生の「南海トラフ巨大地震 歴史・科学・社会」の本の紹介です。
 大部の本なのでまだ全部は読み込めていませんが、少しずつメモをとっていきます。
第一章では過去の歴史文献をひもとくことによる個別の過去の南海トラフ巨大地震の歴史を振り返っています。

第二章ではこの地震の科学についての説明の後、日本政府が行っている最近の南海トラフ巨大地震の評価について解説をしています。
そして第4節では「南海トラフ巨大地震の原動力を問い直す」として石橋先生によるアムールプレート東縁変動帯仮説等を紹介してどのような地震が将来起こり得るかということを解説しています。この本の学術的な山場でしょう。

 そして第三章 社会 の所では原発震災複合災害の問題についても詳細に指摘をしています。

「浜岡原発と伊方原発の再稼働は無謀」
 「…四国の北西端豊後水道に突き出た佐田岬半島の付け根付近に四国電力伊方原発がある。その3号機が再稼働に向けて新規制基準適合性に係る審査を受けておりやがて合格しそうだという。だが伊方も南海トラフ巨大地震の震源域の上にあると言ってよくここで原発運転するのは無謀なことである。
3号機のSsは570ガルで南海トラフ巨大地震による地震動はそれ以下だとされている。しかし3·11東北沖地震の震源域の外縁の上にあった福島第一原発が675ガルを記録したから最大クラスの南海トラフ巨大地震が起こればその震源域の北限の真上(深さ35km)に位置する伊方原発の地震動が570ガルを大きく超える可能性を否定できない。
 また本震では大事に至らなくても1854年のような直下の大余震が追い打ちをかけるかもしれない。
 そもそも570ガルという値が原発前面の中央構造線活断層系MTLで発生する地震に対するものだが過小評価である可能性が高い。…
 伊方原発3号機がもし重大事故を起こせば四国九州中国地方のほとんど全域に放射能を撒き散らし南海トラフ巨大地震の災害を桁違いに悲惨なものにする。また瀬戸内海も致命的に汚染する。絶対に再稼働するべきではない。」

そして、最後の節では、
「経済成長至上主義からの脱却を」で締めています。
岩波書店、第一版の発行は2014年3月11日。
1800円+税


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