伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

県のプルサーマル公開討論会を明日に控えて

2006-07-22 12:07:43 | プルサーマル/MOX燃料
 昨日の愛媛新聞の特集はちょっとした驚きでした。
なんと丸々1ページを割いて、高知大学岡村教授と、立命館大学岡田教授の対立する論点を引いて、伊方原発前面の中央構造線活断層の規模とその耐震評価への影響について解説をしていました。
対立する論点は以下のような点だと思います。

・想定される地震のマグニチュードは?
国の地震調査本部ではM8を想定していますが、岡田氏は全体が動くことはない(16世紀くらいの地震ですでにエネルギーを放出している)としてM7前半と想定しています。

・四国電力は実際にどの範囲までを想定した耐震評価をしているのか?
 4月26日に開かれた県の審議会の中では、原子力安全委員会事務局資料として、
「前面海域の地震の影響はどうか(1)(H9の再評価結果)」の地図上の活断層について
 46kmの断層単独
 77kmまでの複合断層
 27kmの断層単独
 65kmまでの複合断層
の4種類の断層が動いた場合について、
「前面海域の地震の影響はどうか(2)(H9の再評価結果)」の波長別スペクトルがS2の際の包落線と比較してS2包落線を越えない、という評価をしています。

 一般にはこのデータしか公開されていないわけですが、四国電力側の主張では、
最大360kmまで(つまり中央構造線が一体となって動いた場合)の評価もしており、S2を越えていない、ということでした。
 しかしまずは、その360kmが同時に動き、マグニチュードが8以上とされている地震でなおかつ、S2の包落線を越えていないというスペクトル解析データがあることを、本来公開してもらう必要があるでしょう。

 少なくとも4月26日時点の県の審議会にそれ以前のデータしか明らかにしていないことも問題です。それが規制に責任を負うべき安全委員会の取るべき態度なのか、四国電力とグルで問題を少なく見せようとしたのではないか、という疑問が起ります。

で、やっぱりどういう解析になるのか、は当事者たる四国電力の人間と、地震学及び地震工学の専門家が入っての公開討論会をしなければ、少なくとも県民としては、安心を得ることにはならない、というのが地震関係の昨今の動きを見ての感想となります。

そもそもまずいまある原発が地震問題をクリアできるのかどうかを議論しないで、プルサーマルの討論に時間と金を掛けるのはムダだといえます。
 県知事は明日の討論会で、地震問題についても公開討論会を実施することを約束すべきです。

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