童話屋編集部『あたらしい憲法のはなし 復刊〔小さな学問の書②〕』(童話屋・2001年)
本書は、1947(昭和22)年8月2日に文部省が発行した
中学1年生の社会科の教科書として使用された教材の復刊である。
なお、この『新しい憲法のはなし』は、1952(昭和27)年3月まで教材として
使用された。
施行されて間もない日本国憲法に対する、当時の文部省
(ほとんど政府見解に近い)の見解を垣間見ることのできる資料として、
大変貴重なものである。
また、日本国憲法を詳しく知らない者にとっては、憲法の全体像、
確かに多少、現在の制度とは異なる説明や、裁判所の項目が少なかったりする
という、若干の問題点はあるものの、憲法の構造を大まかにつかむためには、
たいへんわかりやすいシンプルな書籍である。
特に、戦争の放棄(憲法9条)に関する記述は、秀逸。
一部、引用すると「戦争は人間を滅ぼすことです。世の中のよいことをこわすことです」。
戦力の不保持に関しても「これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。
これを戦力の放棄といいます。
『放棄』とは、『すててしまうこと』」ということです。
しかしみなさんは、決して心細く思うことはありません。
日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。
世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」という部分がとても良い。
ぜひ、今度の福田首相、いや国会議員や政府関係者、はたまたマスコミ関係者は必読!
国民のみなさんにも興味を持って読んでいただき、
しっかりと内容を吟味してもらいたい。
~ムッシュ・いけふくろう~
もう一冊、こちら(↓)もオススメ。
『井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法』
いわさきちひろさんの柔らかなイラストが素敵です。
憲法のことがよくわからない私?でも、
簡単に流れをつかめるからいいんですよね。
『井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法』、
近いうちに買ってみます!