「物言わぬ農民」などといわれてきたが、物言わぬが花という言葉もある。
今回の農業団体は、これまで同様自民党支持。
だが、なぜ自民党支持なのかは不思議である。
郵政の次には農協が改革のターゲットとなるだろう。農協の経済・信用・共済事業の分離・分割は既に政治日程に載っている。さらに、自民党の掲げる「農業の担い手を特定した日本型直接支払い」にも反対だろう。この点は民主党のマニフェストの方に近い。
今度の選挙は、小さな政府を目指す小泉自民党と、大きな政府論者にされた民主党との対抗だった。農協が小さい政府支持という話は聞いたことがない。ここまで小泉首相に啖呵を切られては、農協はアンチ小泉でなければならないはずだろう。
農協は、マニュフェスト型選挙を理解していないということなのか。あるいは権力にすり寄りたいだけなのか、判断に迷うが、意外としたたかなのではないかと思っている。
農協はこれまで自民党の無理難題を様々に受け入れ生き延びてきた経験がある。
政権党と一緒にいたい、その為には少々の無理難題は受け入れる、その間に「信頼できる人、できない人」という集落的対応で意を通じる。農協はこうした体質を持つ。話がわかり、意を通じる議員は、自民党の中にまだまだたくさんいるとふんでいるのだろう。あるいはまた、政権党と官僚との関係が担保され、農協の意を汲む官僚が絶えなければそれでいいと考えているのかもしれない。
事実、「自民党は農協分割には反対している」などと農協はいっている。裏取引があるのだろうか?今回の小泉首相のやり方を見ていると、そうした取引を許すはずもないと思うのだが、しかし、現実にはそうでもなさそうだ。
農政改革にはさほど興味もなさそうだし、あったとしても中途半端か失敗で終わる可能性もある。何より小泉首相はあと1年しかない。不満は自民党内に鬱積しているから、1年後にはまたもとの自民党に戻るに違いない、そう考えての小泉支持だとしたらやはり、農協はしたたかである。
農協のこれからは、おそらく「いきすぎた改革阻止」などというのだろう。
はたして為政者と様々な経験を持つ農民のやり方が勝つのか、改革を推進するのか、この1年が見物だ。ポイントは農協の分割である。
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