今日の一貫

木村尚三郎先生が亡くなったが

西洋史の木村尚三郎先生が亡くなった。
食料農業農村基本法を作ったときの審議会会長。
最後のつめでは、農水省官房企画課の参事官や専門家で、答申の最後の文言の詰めを行った記憶がある。場所は、パレスホテルだった。

今年の2月1日総務省のシンポジウムでご一緒することになっていた。
木村先生が基調講演をして、私がパネルディスカッションに参加することになっていた。
ところが、風邪をひかれたというので、急遽その朝欠席となってしまった。
今になって考えるに、このころから、体調が悪かったのかもしれない。
「耕す文化の時代」や「美しい農の時代」など、農業をこれまでとは全く違った視角でとらえたのが斬新だった。
「畑に旅人を」がよくでるフレーズで、交流人口の拡大、グリーンツーリズムの振興にも熱心だった。
フランスのワイナリーやレストランの有り様を念頭に置いていたのだろうが、ヨーロッパの視角で見る農業・農村にはノブレスオブリージがあり、プロの仕事師(三つ星レストランのシェフやマイスターなど)への尊敬があった。
二つとも、日本の農業や農村に欠けているものである。

この日は結局木村先生の代役として急遽基調講演をするはめになった。
「もし木村先生ならこういうだろう」と語りながら、講演したのを覚えている。

この内容は、総理府政策統括官が監修する「統計情報」2006年4月号に載っている。
「ピンチヒッターで喜ばれるのは、野球ぐらいのもので、講演会ではむしろ、がっかりされるのが落ち」などといっている。

この日の話は、「伝統文化と地域振興」というテーマで話しているが、小項目を多用しているのが特徴だった。

「伝統文化と食」、
「女性が起業し始めた」、
「農家レストラン」、
「野菜の直売所」、
「日本社会が変わってきた」、
「東北の稲作文化」
「地方主権はくるか」
「そがれた自立心、自立支援へ」、
「脱近代、時代の変わり目」
「身体性の時代へ」
「スモールビジネス、家族経営は古いのか」、
「コミュニティの重要性と参加型社会の構築」
「広場の重要性」、
「生活と隣人を大切にする」、
「農村の伝統文化とコミュニティの再編」などなど、木村イズムを最大限とり入れて話しているのが分かる。
この間、お会いしていなかったが、、、、
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