曰わく、「農地改革ぐずぐず 企業参入うやむや、具体策わずか」。
2日の朝刊。
農地改革というなら、農地制度を利用本位に改革することと誰もが思っていた。
しかし内容は、面的集積だけに換骨奪胎するもの。
それも実現可能性には疑問符がつく。
これでは農業を中心とした地域活性化も見込み薄。
農業の産出額を上げることも無理となった。
農業は補助金等の依存体質から脱出して、税金を少しでも払える産業にならなければならないのに。
この国は一体何を考えているのだろうか?
宮城県大崎市の鳴子温泉では、ファンドを入れて団体仕様の旅館を個人仕様のものに再編し着々と業績を上げようとしている。このホテル、自分のホテルが倒産すると地域経済へ与えるダメージが大きいと判断、実質身売りとなるオリックス不動産の支援を受け、地域経済の活性化に一役買おうとしている。
近日中に日経新聞地方版に出る予定なので紹介しよう。
オリックス、仙台ホテル等仙台市のホテルも活性化させようとている。
活性化には、外部の資本の導入や人材の導入が必要なのだ。
農業とて例外ではないはずだが。
本日の日本農業新聞、田代洋一氏が「企業の農地所有危惧」という「識者の見方」が載っていた。一体何が危惧なのかまるで分からない。危惧どころか必要なのではないか?
危惧するとすれば、企業が不動産を購入するだけでは意味がなく、活用することをどう担保できるかといったことぐらい。価値を生むための購入でなければならない。
何を危惧して農地改革はぐずぐず、、、なのか。農水省のサボタージュといわれてもしょうがない。
以下朝日新聞 2007/11/02 朝刊, 10ページ, 有, 1583文字
「農地改革ぐずぐず 企業参入うやむや、具体策わずか 農水省方針」
政府の経済財政諮問会議で1日、若林農水相が農地の効率利用を目的にした農地改革の基本方針を示した。
農地の賃貸の加速や耕作放棄地をゼロにする方針が盛り込まれたが、企業の農業参入の促進策は明確にしなかった。6月に閣議決定した「骨太の方針07」が今秋までに求める改革案づくりも、まだできていない。背景には、参院選惨敗で「小規模農家への配慮」の声を高める与党の農水族の動きがある。(小山田研慈、竹中和正)
若林農水相が示した農地改革の基本方針は、農地情報のデータベース化▽耕作放棄地を5年後をめどに解消▽優良農地の確保▽農地の集約化▽農地の賃貸借・利用の促進など。08~09年度に実行に移すとしている。
諮問会議の席上、若林農水相は「賃貸借を緩和して株式会社を含む法人の参入を認めていきたい」と強調したという。農地は民法上、20年以内しか貸借できないが、農水省は20年を超える契約を可能にする方針。安定した長期経営が可能になるので土地の引き合いが増えるという目算だ。
ただ「改革」の色彩が見えるのはこの項目ぐらい。福田首相はこの日の会議で「何とか改革のスピードアップができないか」と注文を付けた。民間議員からも「どこまでやる気があるのか見えない」との声も聞かれる。
農地改革は、福田政権が掲げる地域力活性化の一端も担う。他国・地域との連携を強める経済連携協定(EPA)交渉のためにも、国内農業の競争力強化を求める声は強い。
しかし、農水省の基本方針では、賃貸借契約以外では、具体的な手法や枠組みはほとんど示していない。耕作放棄地解消の目標も「まず耕作放棄地の現状把握から入る」(同省幹部)という。
有力な農業の担い手とされる企業の扱いも、ぼやかした。農水省は借地での企業の農業参入を自由化する方針を8月に打ち出したが、今回の方針では「企業の参入」という言葉を一掃。「農業経営に意欲のあるもの等」「新規参入等」という言葉に置き換えている。
農水省が農地改革にブレーキを踏んだ背景には、7月の参院選で与党が惨敗したことがある。
「机の上で大規模農家や規模拡大と言っても現場は違う」「時間がない。選挙は来年だ」
10月31日、自民党の地域活性化特命委員会で、農水族議員からは、農水省が進めてきた改革に批判が相次いだ。
参院選では、農家一律に戸別所得補償を打ち出した民主党に与党が完敗。大規模企業の参入には「農家向けの金融や農薬、肥料の販売を独占してきた農協の反対が極めて強い」(農水省関係者)。大規模集約化や企業参入は「今はできるなら打ち出したくない」(政府関係者)というのが本音だ。
◆税の有効活用を(くらしの視点)
農地改革が進み、農業が効率化すれば、農家が潤うだけでなく、消費者にとっても、国内産の農産物を安く買えるようになるメリットがある。低迷している食料自給率が上昇するかもしれない。
ただ、消費者は納税者でもある。農業振興には多くの税金が費やされてきた。非効率な施策で税金の無駄遣いが続くのでは、消費者にプラスであるとは言えない。いくら安い農産物が手に入るようになっても、高い税金を払うのでは割に合わないからだ。
【骨太の方針2007での論点】
(1)5年程度をメドに耕作放棄地ゼロを目指す
(2)農地リースの加速
・定期借地権的制度の設置
・農地利用料に市場状況反映
・一般企業への農地賃貸促進
・農業経営者への農地の集積を進める
(3)法人経営の促進
・農業生産法人の要件見直し
・農地の権利移動を簡易に
【農水省が1日に示した方針】
・5年程度をメドに耕作放棄地ゼロを目指す
・20年超の長期契約制度創設
・標準農地利用料の廃止
・農地集約の調整役を設ける
・農地情報のデータベースを新規参入者らに提供
・具体的な提案はほとんどなし
・民間企業の農地保有は認めず
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