ワーコム農法の栗田孝太朗氏が代表の塾。
ついでに、栗田義夫さんが社長で1代で築きあげたクリタ園芸訪問。
シクラメンを中心としたやり方。
計数管理がきっちりしている。
売り上げは一億円。このところ贅肉をそぎ落とし、筋肉質の経営となっている。
品目毎に数値が出ているので、シクラメン人は血のコストがわかる。
数値を毎日毎日眺められる。眺めているとどこが問題なのかわかってくる。
かつて、ヤマト運輸の小倉昌男さんの若い頃、自分の会社の収益率が悪いのは何故かを数値で考えに考え抜いて、大口はダメ、小口にこそ儲けという結論に達したことがある。およそ、収入が1,5倍違うのだそうだ。
栗田さんも数字を見ることの楽しさを実感している。
データを作る、ペーパーに残していく、これは経営者の第一歩だ。
考えてみたら、わが国の農政は、農村から経営者を排除してきた。排除してきたと言うより今でも排除しているといって良い。
建前では「経営者育成」を言っているのに。
栗田さんのハウスは、地面をコンクリートにしたら、転用許可を取れ、宅地並み課税だ、となったという。
何年分か(失念してしまった)の固定資産税分で、1年分の営業利益に匹敵するという。法律が農地と認めるか認めないかの違いなのに。
しかし農振除外はないという。変な話だ。
市街化区域農業は最も魅力的な農業なのだ。
それを規制するのはいかがか。
ところで、経営者だ。戦後、農村で経営者能力を持った人々は、皆脱農してきた。あるいは、土建業に、またあるいは商業に、といった具合である。
しかし、肥料商や機械商、土建屋のおやじがいま農業に乗り出している。
昔からの地主で作り酒屋なども、農業に乗り出してきた。
栗田義夫さんは、岸宏一参議院議員が金山町長だった頃、農政のプロパーとして町の嘱託に壊れ、産地づくりをした人。この金山の産地造りは、拙著「農業が元気になるための本」で紹介している。
こうした経験が経営の成功に結びついているといって良い。宇佐美繁さんと岸宏一さんが私の先生だといていた。
若い頃尊厳とな何かを経験した人でないと経営者にはなれない。
政府は本気になって経営者育成を言うなら、まず農村での尊厳を作る政策を実行に移すことだ。
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