今日の一貫

千葉県の農業の奇跡

かってに「千葉県の農業の奇跡」と呼んでるものがあります。
北海道をのぞき、農業産出額一位の県はどこか?
といえば普通の人は、東北のどこかの県を連想するのではないだろうか?
面積の大きい県をあげるかもしれない。

しかし、大方の予想を外し1位はなんと千葉県である。
鹿児島や愛知・茨城・などが続く。
ここでよくわかるのは新潟や宮城、秋田などの稲作県はおしなべて健闘していないこと。

また、何が千葉の奇跡かといえば、茨城との違いである。
両県は首都圏に位置し、ともに東京への農産物供給基地としてあり、早くから商品経済が発達し、闇米などが多いという特徴は共通するものの、その農業構造はかなり違っている。
違いをもたらしているのは、農協が強いか弱いかである。
茨城は野菜の品目の多くが常に5位以内に入っており、いかにも農業の力強さを感じさせる。そのベースには農協共販の強さがある。茨城県の農協は、コメの集荷率は高くはないものの、野菜などの農協集荷比率は高く、やはり産地は農家がまとまらないとならないという思想が強い。
岩井のネギなど品質生産量ともに日本一と言っていいかもしれない。
だが、近年のこうした農協共販産地は、おしなべて高齢化・兼業化によって衰退してきている。
あたかも戦艦大和に水漏れがでてきているようなものかもしれない。

20年ぐらい前、茨城県に行くと、千葉は都市化でやがて農業はだめになりますよ、とよく聞かされたものである。確かにそんな感じもした。
千葉の農地はなくなっていくし、農協共販はないし、個人個人がバラバラだし、千葉の、という特産は、でんぷん甘藷とか、ピーナッツなどの粗放な作物しかないし、といった状況にあった。成田空港ができて競馬馬牧場が北海道へ移転していくなんて時期だった。

だがしかし、その農協共販が弱い、しかも個人個人がバラバラな千葉県の農業産出額が全国一になっている現実からは目をそらすわけにはいかないだろう。

農協共販より、個別流通の方が力が遙かに力が発揮できるという事実がここにある。
流通システムはもはや大量生産大量流通の時代を過ぎてしまったのに農業関係者は気付く必要がある。でも相変わらず、みんなで力を合わせて、量を確保した方が強いと思いこんでいる。そりゃ、みんながやる気を持って一緒にやってるときの話だろう。そうでなくなれば、やる気のある個人に凌駕されるのは必然。

個々の経営者を中心とした農業生産システムが新たな農業の時代を作り始めている。

千葉県の奇跡は、こんな事から命名したものです。
和郷園はそんなこれからの千葉県、日本農業を担う希望の星です。
また山武町も、もともと有機農業で有名な山武町には、農家が層厚くいるところに、さらにワタミが農場を作りました。

和郷園成長の秘密
じつは千葉県の奇跡に関しては、過去に一度書いています。
コメ地帯の農業が変わるかもを参照してください。
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